金にも選挙権にも国境がある

ひところマネーはボーダレスなんてしたり顔で言ってのけた人々がいた。
しかし、金ほど国籍の明確なものって他にあるだろうか?
例えば、人間は国籍を変えられるが、金(カネ)は国籍を変えられない。
為替市場で交換すれば、変えられる? 冗談でしょう。
仮に1$=¥110で円を米ドルに交換したとしても、それはえたのではなくえただけだ。あなたが手にしたドル紙幣が日本国籍に変わったわけでもなんでもない。そのドルを金として保証しているのは日本国政府ではなく米国政府なんですよ。
米ドルは世界中に広がり国境がなくなったって?
んなこたあない。そんなこと言うのなら、全世界に展開している米軍は無国籍だとでも言うのか?
国籍と国境とは違う?
んなこたあない。米海軍の艦船は外国の港に停泊中でも、アメリカ国内だ。大使館や領事館も同様。国境には地理学的国境と法学的国境がある。金も世界のどこに置かれていようが、金そのものは国境から出ることはない。
ことほど左様に軍隊と金は、国家の基本的エレメントであるが故に似通っている。ここだけの話だけど、米ドルがなぜ世界に出回っているのかというと、それは米国が世界最強の軍隊を持っているからです。軍事力なくして国際通貨なんて有り得ないね。もし、米軍がヘタレになったら、少なくとも海外に出回っている米ドルは紙屑同然になりますよ。同時に米国の軍隊に寄りかかっている日本政府発行の円も暴落しそう。
為替トレーダーはなぜ成り立つのか? 
答え:金に国境があるから。しかもこの国境は地理学的国境以上に堅固だ。だからこそトレーダーは安心してディーリングができる。為替取引とは国境の内外のポテンシャルの差異を利用した投資なのだから。国境がなければ、為替取引など成り立つわけもない。
為替取引の量が多くなった、スピードアップした⇒マネーはボーダレスになった、というのは、浅墓な勘違いなのだ。
そして金の国境が堅固である故に、軍隊同様、金で他国を侵略することも可能だ。97年のアジア通貨危機は金と金の国境を利用した差異爆弾を破裂させたようなものだ。国籍・国境が堅固であるからこそマネーが爆弾にもなるのだ。
金には国境が厳然と存在する。ヘタに国境に近付いたり、越境したりすると撃ち殺されるリスクを覚悟せねばならない。

ところで、最高裁が在外邦人の選挙権を認めないのは違憲と判断したが、これもおかしい。

日本国憲法が通用するのは日本国内だけだ。

在外邦人が日本国籍として権利を認めてもらえるのはパスポートに書かれてある範囲内でのことだ。こんなこと言っていたら、どうなるんだろう。国政選挙のみならず、地方選挙もいちいち約70万人の在外邦人に告知するのか? 各国大使館に選挙管理委員会を置かなければならない。過疎地の郵便局を残すことより余程無駄遣いだ。
仮に在外邦人が人口の約半分になったら、どうするのだ? 逆に「一体、日本って何なんだ?」ということにならないか。諸般の事情でイラクを離れざるを得なかった在外イラク人がイラク国内の選挙に参加するのとはワケが違う。
国境を越えた以上、日本人としての権利をある程度放棄せざるを得ないと心得るべし。そんなに日本人の権利にこだわるのなら、日本人の義務も国境を越えて欲しい。すなわち納税義務も国内にいる時と同様に払ってくださいね。選挙権認めるのなら住民税もしっかり払ってもらわないと国内組はワリがあわないよ。選挙は住民票をベースに行われるのだから、国内並みとは言わない、準住民税のようなものを制度として確立してもらわんとお。
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