非居住エリアでのCO2排出が激増

ここで言う非居住エリアというのは、海洋、そして空港を含めた空中だ。
ここでのCO2排出が激増している。
IEA STASTICS2001によると、世界全体の国際船舶からのCO2排出(CO2 Emissions from International Marine Bunkers)は1999年で4億2345万トンで、1990年(京都議定書の基準年)比21.6%の伸びを示した。これは世界全体の総排出量228億1820万トン(99年)の同期伸び率10.2%を大きく上回っている。
便宜置籍船があるので大雑把な分類で増減比を見ると、
アジア61.8%、中南米41.7%、アフリカ39.0%、ヨーロッパ18.1%、中東15.9%、北米-8.4%、*旧ソ連-94.3%となる。中国に限れば149.4%増だ。*旧ソ連についてはここを参照。

国際航空機からの排出は、3億3472万トン(99年)で90年比19.8%増。この増加率は、
全アジア72.0%、オーストラリア66.3%、欧州56.8%、北米44.4%、中南米37.2%、アフリカ22.0%だ。
各国別トップ10(小国は除く)は、
ベトナム241.9%、トルコ176.4%、台湾140.5%、南アフリカ140.0%、オランダ126.6%、スペイン125.3%、マレーシア118.7%、韓国70.2%、オーストリア67.4%、パキスタン66.9%。
ちなみに中国54.1%、日本41.6%だ。
今後の航空貨物需要の伸び率を考えると、恐ろしい勢いで伸びることだろう。航空貨物

このような非居住エリアでの排出量の大幅な伸び率はエネルギー利用の非能率を象徴している。人が誰も住んでいないところで消費されるエネルギーは見た目以上に隠れたエネルギー非効率化を促進する。
例えば、パソコンにしても自動車にしても、無数の部品、無数の材料は無数の国籍を持ち、複雑で高性能で、洗練された、最先端の商品であればあるほど、その製造は国際間輸送システムに下支えされている。一つ一つの部品があっち行ったり、こっち行ったりと、最終製品に収まるまで一体何度大旅行を繰り返しているのだろうか?
安い輸入牛肉を食べるために、どこか別の、気にも留めないような外国の土地の森林が伐採される。しかも、そこでは、商品性のない自給用作物は造られず外国から輸入される。これはエネルギーの無駄遣い乗数効果だろう。

実は上に挙げた数字は少々古い。電子版を利用すれば、さらに最新のものが出せるが、有料。諸般のことを確認して登録後、最新情報も入るだろう。確かにめんどいことは誰かさんにやってもらいたい気持ちだ。
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