PageviewとShelfview

VIDEONEWS.COMGoogleの何がそんなにすごくて何が危ないのか」(ゲスト:森健氏)を見ていたら神保哲生さんと宮台真司さんが検索エンジンの「権力」を建築物に例えていて面白かった。
宮台さん(前半1時間10分ごろ)は検索エンジンアーキテクチャーの「建築家的な権力」として、人々が廊下だと思っている所を廊下だと思って歩き、お手洗いだと思っている所にお手洗いに行くが如く、冷暖房、BGMの大きさ、椅子の硬さなどで客の回転率を制御し、人々を無自覚に設計者の思うように行動させるとした。
これを受けて神保さんが知り合いのカーペットクリーニングのビジネスをしている人のエピソードを出し、ビル内の人の流れの交通量が偏るとクリーニングが効率的にできないため、なるべく均一に交通量を均すため、トイレのサインの矢印を逆向きにすることもあるのだという。
これは、経験的にも実感できるものだった。以前、「大店舗不適応症候群」でも書いたが、最近の大型店は言うに及ばず、コンビニにいたるまで、何につけてもどこに何があるかが一昔前より分かりにくくなっており、しかも、行き慣れて右左が分かった頃に棚替えをしてしまい、以前ここにあったと思っていた商品が別の棚に移動してしまってあちこちウロウロすることになる。つまり店内滞在時間を長くしてページビューならぬシェルフビューを増大させる戦略なのだ。定期的な棚替え、リニューアルで、実は検索エンジンやカーペットクリーニングと同じように流通ビジネスは「建築家的権力」を行使しているのだな、と察しがついた。
サイバーであろうが、リアルな店舗であろうが、やっていることは基本的に同じで、今はどこへ行っても行動を制御する「権力」の目が光っていることを思うと、我々はとうの昔から真理省に管理されているのだろうか。
ちなみに、このエピソードにとどまらず、今回の番組、森健さんの話を含め、かなり面白い。
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