盗撮事件と三島由紀夫

livedoor ニュース:[盗撮]女子高生のスカート内を、日テレのアナウンサー:[盗撮警官]交通事故の申告に来た女性スカート内を 奈良
盗撮事件が立て続けに連発してる。日常世界から隠された「世界の秘密」を覗き見たいという衝動は何も「美しい星」の、宇宙の彼方だけにあるのではないようだ。
まあ、ニュース沙汰になったのは、ご当人の職業柄ということだけど、氷山の一角だろう。
三島由紀夫作品で覗きが直接出て来るのは、「午後の曳航」で少年が母親と船乗りの情事を壁穴から覗く。「豊饒の海」では、松枝清顕のお友達の本多繁邦さんも第三巻「暁の寺」以降、覗き魔になる。別荘の壁に穴を穿ち、こっそり若いジン・ジャン姫を美しい肢体を覗き見る。「天人五衰」では、神宮外苑の覗きスポットにも出没し、男女の秘め事を見ているうちに想定外の事件に巻き込まれ警察官から事情を聞かれたために週刊誌記者に弁護士の醜聞としれ記事を書かれる。
あのマジメなインテリの本多さんが、と思えるかもしれないが、警察に御用になる人々も結構マジメそうなインテリが多いのも知られている通り。誰とは申しませんが。
現代を先取りしていたといえば、社会的地位をメディアに汚されるという点ではそうかもしれないけれど、ま、この手の話そのものは明治時代末、出っ歯の亀太郎こと池田亀太郎がのぞきやりまくりで「出歯亀」の語源になったのだから、いつの時代にもあったのだろう、この世に男がいる限り。
ジーナ・ロロブリジーダ覗きではないけれど昔見た映画に「夜ごとの美女」というルネ・クレールの名作があった。これは現実の美女が夢の中で理想化されて現れ、主人公は次第に現実よりも夢を「覗く」ことに夢中になるという話。ジーナ・ロロブリジーダがヌードで現れるんだなあ。
現代の出歯亀はハイテク兵器で武装し、個人の暗い衝動すらビジネスモデルとなっているのはワイドショーなんかで紹介されている通りだ。覗きにも夢がなくなってきた。
本日もクリック脳になってしまった。
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