鉄道事業は斜陽?〜村上阪神買収劇を巡って

村上ファンド率いる村上世彰氏が逮捕されようがされまいが今更大して興味湧かないけれど、乗客減も統合の背景 阪神・阪急(朝日)というのはどうなんだろう。
「阪急と阪神は競合していない。(鉄道やバスなどの)公共交通機関対マイカーの時代だ」(阪急の角和夫社長)

確かにそうかもしれない。JRとの競争と言っても、梅田と三宮という両端末が同じなだけで、後は路線も駅も違う以上、競争は限定的だ。人口減と言っても、都市部は限定的だろう。
じゃあ、マイカーとの競争に負けるかと言えば、これまでならいざ知らず、今後はどう考えても、ガソリン価格は上がることはあっても下がらないだろうし、間接的な温暖化圧力でマイカーは長期的に不利になる。今月から始まった短時間の放置駐車を警察が委託した民間の「駐車監視員」が取り締まる改正道路交通法にしても、色々な不評はともかく、マイカー利用には不利に働くだろう。
一方で、最も排出ガスが少ない鉄道は有利になる。鉄道やバスの公共交通機関の長期低落も今がボトムだろう。
世の中というものは皮肉なもので、もう御用済みと見切って捨ててしまった途端、「あ、しまった! 捨てるんじゃなかった」という羽目になることがあるものだ。
各地で廃線になった鉄道路線路面電車、全てが全てとは言えないにしても、残しておいた方がよかったものもある筈だ。
汐留貨物駅ターミナルは今は高層ビル群に変貌し、今更貨物列車復活は困難だが、貨物列車を合理化してスムーズにトラックとリレーできるシステムを作っておけばこんなことにはならなかったかもしれない。宅配便の車丸ごと積めるような車両だってできたはずだ。
岐阜市では路面電車存続運動が続けられ、一時は外資も応援していたようだが、昨年度末で敢え無く廃止された。
しかし、ヨーロッパの都市は今でも路面電車が健在な街が多い。以前からあるヘルシンキオスロストックホルムなどに限らず、首都で言えば、2004年にはアイルランドのダブリンで復活し、Luasが営業を始めている。
アメリカではGeneral Motors streetcar conspiracyというのがあって、大手自動車メーカーや石油会社がモータリゼーションを促進するためにNational City Linesという隠れ蓑の会社に何十もの路面電車会社を不法に買収させたうえで廃線にしてしまったという。映画「ロジャー・ラビット」はこの事件をベースにしたものだ。
おかげでアメリカでは路面電車は廃れたが、そのアメリカでもサンジェゴサンフランシスコ路面電車が復活してきている。
株だって「大衆は常に天井を買い、底値を売る」なんて相場格言がある。底値の見切売りは大損するだけだ。
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