実質公営、あるいは公営もどき新聞

H-Yamaguchi.net:新聞販売店がくれる洗剤は排除措置命令の対象になるのではないかとのこと。まあ、実質割引価格なんでしょうね。ところで、こういう実質割引価格というのは、他にもありそう。
たばこ販売民営化されて20年近くたつというのにいまだ予め認可を受けた小売価格でしか売れない。ところが、10箱詰めの1カートン買うとどこで買っても必ず100円ライターが付いてくる。1箱270円10個で2700円支払うが、実質2600円、3.7%の割引だ。
たばこ事業法第5章小売定価の条文読んでも、こうした必ず付いてくる100円ライターについての記述はなさそうだ。
空港の免税店となると、価格が安い上に腕時計だのペンシル兼ラジオなど100円ライターどころじゃないおまけが付いている。
また1カートンでなくても、1箱買ってもキャンペーン用に少し小さめの使い捨てライターが付いていることがよくある。
新聞にしても公正取引委員会がいまだ「特殊指定」し続ける理由は、日本では新聞がたばこ販売のような「実質公営」あるいは公営もどきの地位を手に入れているというところにある。記者クラブはショバ代、光熱費こみで公費負担。これ、どうみても官庁もどきだ。そうでなければ「新聞は社会の公器」なんて自分で言える訳ない。
大体、新聞販売店は洗剤だけでなく新聞紙と量的にさして変わらないくらいの折込チラシがどさっと挟まっている。本紙の広告に加え、折込チラシあの量を見れば、新聞代無料でいいと思いたくなる。CMを番組放映時間以上に見させたうえ、有料で放映している民放テレビのようなものだ。
新聞販売店もたばこ販売店も実質親方日の丸、だけど販売店は競争に曝されている。そうすると「実質割引」「割引もどき」という奇異な現象が起きる。たばこが今後も値上がりすれば、そのうちたばこ1カートンに洗剤付きなんてことになるかもしれない。
結局、こういう民とも言えず公とも言えない状態って一番資源をムダに使うことになる。無料の洗剤のために紙資源が無駄遣いされるのみならず、そもそもおまけのような、本人の意志に関わらず手に入るものは、使用率がカネで買ったものより絶対に低い。
たばこ1箱でもらえるライターも100円ライターより質が悪く、ガス欠前にすぐ発火装置がへたれる。おまけほど資源の無駄遣いはない。消費者の選択というスクリーニングを免れているのだから。