橋本龍太郎元首相死去

livedoor ニュース:[橋本元首相]入院中の病院で意識不明の状態だったが、死去された。もう5年前になるが、橋本氏がネットに熱心でHPを開設しておられた頃、一度メールの遣り取りしたことがある。もうお亡くなりになられたのだから、公開してもいいだろう。
以下のような提言(概略)を送った。

道路特定財源を再活用し、現今の直面している問題を解決する一石三鳥の政策がある。元来、道路特定財源は自動車利用者から徴収される税金でまかなわれ、本質的に炭素税的な性質を持っている。この特性を今こそ活かし、炭素吸収に役立てるのだ。その具体的な方法はまことに平凡かもしれないが、街路樹の整備である。しかも、これまでのような単なる都市の美観を保つためのような生易しいものではなく、現在の日本における1930年代のアメリカにおけるT.V.A.に匹敵する公共事業の柱にする。目的の第一は景気回復ではない。もはや景気回復という概念自体が半世紀古いことを知るべきだ。その目的は、
① 炭素吸収による地球温暖化の抑止
②都市のヒートアイランド化の防止
道路という道路の両側に可能な限り街路樹を植樹する。しかも、これまでのような生易しい方法ではなく、人が歩道を歩いている間は常に木陰の中を歩けるほどに街路樹を密生させる。優先順位としては東京や大阪などヒートアイランド化が目立つ大都市部の道路から重点的に始める。電柱の地下化の際には、必ず電柱の代わりに植樹を義務付ける。広い道路には道路全体を覆うような巨樹を植える。道路全体を木陰で覆うことによって自動車の冷房効果を高め、エネルギー消費を減らす。そんなもの大した効果はないと言ってはならない。1%でもエネルギー消費を削減することが求められていることは京都議定書でも明らかだ。
地方の道路を見ていると、何もないところにポツンとバス停の停車柱が立っている。ただでさえバス利用者が減っている中、誰が炎天下でバスを待つ気になるものか。バス停を樹木で覆い、全国のバス停を緑のオアシスにする。
次に駐車場。夏に駐車場に駐車させておけば、車内は摂氏50度にも60度にもなる。パチンコ店の駐車場では赤ちゃんが車の中に置き去りにされ、熱中症にかかって死亡する悲劇が毎年起きている。民営、公営を問わずありとあらゆる露天駐車場に植樹し、木陰の中に駐車できるようにする。
地方の駅に行くと確かに駅前はモダンな作りになったが、樹木が少なすぎる。駅から駅前のバス停、タクシー乗り場まで木陰を通ってアプローチできるように樹木を密生させる。
赤字破綻ゴルフ場を買い上げ森に戻す。これは道路と関係ないかもしれないが、炭素税としての道路特定財源の特質を考えれば、納得できる造林方法だ。

③土木事業に傾いていた雇用のすみやかなシフト
公共土木事業に頼っていた生活者にとって今更IT産業への雇用シフトなど事実上不可能だ。しかし、植樹事業なら土木事業と親戚のようなものだから雇用シフトはスムーズにいく。しかも、道路は全国どこにでもあるから出稼ぎに行く必要すらない。

少なくとも100億本以上は前述の方法で植樹できるはずだ。1人あたり100本。その気になれば簡単なことだ。そもそも日本は温帯モンスーン気候の国だから、その気になればどこにでも木を植えられる。植樹が難しい海外の砂漠緑化事業に徒に金を注ぐよりもずっと効率的に緑の被覆面積を増やせる。
植樹事業など道路造成に比べればいわゆる経済の相乗効果を望めないかもしれないが、これまでの景気回復策が時代遅れで時代錯誤だ。ケインズは右肩上がり時代の時代遅れの経済理論だ。力ずくの景気回復策と地球温暖化阻止とは明らかに矛盾する。

これに対し、2週間後、橋本氏から返信メールを頂戴した。

大変興味深いご提言をメールでいただきました。有難うございます。実行上の問題点の一つは、それぞれの地域に適合した苗木の供給体制にあると感じましたが、その苗木の育成から計画に組み入れて行けば、これもまた事業の柱になります。耕作放棄地や休耕田を苗木の育成に活用することも可能でしょう。本当に面白いご提言だと思います。
現在の私の立場では、これを具体化できませんので、もしご了承いただけるならこれを竹中平蔵国務大臣にお渡ししたいと思います。特命担当大臣として彼が一番適任のポジションにおりますので。
お患わせしますがご了解いただけるなら、「了承」と御返事いただけませんか?待っております。人間ドックに入っていたため読むのが遅れ、お返事も遅くなりまして申し訳ありませんでした。                    橋本 龍太郎

私は即了承の返信をしたが、「渡す相手が竹中さんじゃねえ・・・」と、効果は期待していなかった。その後、橋本氏から良い知らせはなく、やはり相手が悪かったのだと思う。文面からも、もうご自分には実権がないんだ、という寂しさが伝わっていた。HPに熱心だったのも、その寂しさを紛らわすためだったのかもしれない。
坊ちゃん政治家だったが、マスコミの評判とは裏腹にナイーブさを持っていた人だと思う。
合掌。
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