メジャー最多安打イチローの打撃価値

イチローが2年ぶりにメジャー両リーグ通じて最多安打に返り咲いた。695打数224安打、打率3割2分2厘だ。しかし、イチローに付きまとうのは単打の多さ、特に内野安打というビミョー安打の多さだ。
内野安打は外野単打と同じではない。典型的な例では、走者二塁の時に同じヒットでも、外野単打なら走者を返す可能性が高いが、内野安打の場合、その可能性はほぼゼロだ。そこで、内野安打、外野安打(長打も含む)の価値を数値化するとどうなるのか。以下、安打の潜在的価値についての考察。
前提として、走者を一つ進塁させる価値を1とする。

●無走者⇒内野安打1=外野単打1<二塁打2<三塁打3<本塁打4
●走者一塁⇒内野安打2<外野単打2.5(走者を三塁に進める可能性0.5とする)<二塁打4.5(走者を本塁に返す可能性0.5=以下同様)<三塁打6<本塁打7
●走者二塁⇒内野安打2<外野単打2.5<二塁打4<三塁打5<本塁打6
●走者三塁⇒内野安打2=外野単打2<二塁打3<三塁打4<本塁打5
●走者一、二塁⇒内野安打3<外野単打4<二塁打6.5<三塁打8<本塁打9
●走者一、三塁⇒内野安打3<外野単打3.5<二塁打5.5<三塁打7<本塁打8
●走者二、三塁⇒内野安打3<外野単打3.5<二塁打5<三塁打6<本塁打7
●満塁⇒内野安打4<外野単打5<二塁打7.5<三塁打9<本塁打10

総計 内野安打20 外野単打24 二塁打38 三塁打48 本塁打51

外野単打の価値を1とすると、
内野安打=20/24=0.833 二塁打=38/24=1.583 三塁打=48/24=2 本塁打=56/24≒2.333
になる。
今季のイチローは224安打のうち、本塁打9、三塁打9、二塁打20、外野単打145、内野安打41だ。
総打撃価値=41×0.833+145+20×1.583+9×2+9×2.333=250
となる。
同じ計算を安打数メジャー2位のマイケル・ヤング(レンジャーズ)と比べると、
総打撃価値=24×0.833+124+52×1.583+3×2+14×2.333=265
イチローを大きく上回っている。
安打数3位のデレク・ジーター(ヤンキース)は、
総打撃価値=30×0.833+128+39×1.583+3×2+14×2.333=253
で、やはりイチローを上回っている。
3人ともリードオフ系の打者だが、これを打数で割って総打撃価値率となると、
ジーター.406
ヤング.384
イチロー.360
と、ジーターが一番上だ。
残念ながらイチローは彼ら2人に比較して安打数ほど貢献していないことになる。もちろん、盗塁など付加価値は無視した場合だが。
ちなみに打者のタイプが違うが、メジャートップの58本塁打ライアン・ハワード(フィリーズ)は、
総打撃価値=9×0.833+89+25×1.583+1×2+58×2.333=273
総打撃価値率.470
だ。
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