核武装も安倍ちゃん方式で

前回のエントリー、先物現実主義と現物現実主義で、核アレルギーという名の「空気抵抗」が依然強いことを実感した。そこで閃いたのだが、核武装も「安倍ちゃん方式」でやるべきだと。
「安倍ちゃん方式」とは、靖国神社参拝について安倍晋三首相が「行くか行かないか、あるいは参拝したかしないかを申し上げるつもりはない」というアレだ。この曖昧戦術が首相就任後、途絶えていた日中首脳会談、並びに日韓首脳会談を実現する突破口になったことは周知の通りだ。
日本にはミサイルを含め核武装する潜在能力は十分にある。非核三原則に抵触すると、またうるさくなるので、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の中の「作らず」の、境界線ぎりぎり、「作らず未満」あるいは「臨界前製造」をしておく。具体的には、「画竜点睛を欠く」の、「点睛」部分だけを残して、徹頭徹尾unfinished状態を貫く。何を持って「点睛」とするかは専門家が考えればいい。簡単だろう。もちろん、極秘であり、公には「作っていない」ことにしておく。実際に完成させないのだから、「核兵器を持たず、完成させず、持ち込ませず」を新非核三原則にしよう。
極秘とは何事かと言う向きもあるかもしれないが、そもそも核兵器を公に開発した国など寡聞にして知らない。元々極秘で製造すべきものなのだ。成功して初めて核保有宣言するのが習いだ。日本の場合、それはできない、やらない、ということだ。
当然、ミサイルは人工衛星発射用ロケットを改造していつでも実用可能のように作っておく。その気になれば、アメリカより命中精度の高いミサイルも可能だろう。
核実験も「点睛」を欠いたまま行えるようにしておく。「日本に核実験できる場所などないから無理」という向きもあるが、それは、「しないこと」を前提に議論しているからだ。意志さえあれば、実験場は見つかる。
実験場は取り合えず、尖閣諸島あたりの地下がいいだろう。中国に対する強烈な意思表明にもなり一石二鳥だ。これが本当の臨界前核実験だ。
人工衛星で尖閣諸島にただならぬ動きがあるのを察知されて大問題になるだろうが、そこは、「何をしているかしていないか、あるいは実験したかしないかを申し上げるつもりはない」と言えばよい。まあ、表向きの説明は石油の試掘ぐらいでいいだろう。とにもかくにも曖昧で世界が「日本は既に核実験に成功したようだ」と思わせればよい。
追及されても「非核三原則は日本の国是です。日本は核を完成させてません」と本当のことを言ってIAEAの査察団の受け入れを拒否する。それでも文句言えば、国連分担金削減をちらつかせればよい。
これによって、日本は独自の核抑止力を持つことになり、諸外国は見て見ぬふりして「しょうがないか」と諦めるだろう。現実に、特に外国の方が「日本の核クラブ入りはacceptable」という議論は多々散見される。世界はずっと事実に基づいた現実主義なのだ。靖国神社カードを封じ込めたように、核アレルギーも意志さえあれば封じ込められるのだ。
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