進歩的IT文化人

[ウィニー有罪]「技術開発に悪影響」 被告ら激しく批判 ウィニーのことなんて事実上さっぱり分からない。けれど、金子勇被告やその支持者の批判が意外と凡庸ぽく、およそなるほど、と思えるものが見当たらないのはなぜだろう。
日本では、100km/h以上の速度を出していい公道は存在しません。さて、Winnyは違法な用途で使われるのが予見出来たからといって、その制限をしなかったことで直ちに製作者を有罪とするのはどうなんでしょう?(ひろゆき@オープンSNS:スピード違反と著作権法違反の違いってなんだろう。)
ネットはスーパーハイウェーなんですよね。で、法規も整っているわけじゃない。法律が追いかけるのは仕方ないかと。150万円の罰金刑は温情判決とすら思えるような。それにしても芸のないおちょくり方だ。

もしYouTubeが日本にあったら、今頃とっくに、東京地検特捜部が「犯罪のほう助」容疑で、会社から段ボール箱を運び出しているんだろうなあ、と思う、今日この頃。(isologue:Winny裁判有罪判決)
「日本になぜGoogleが生まれないのか」と嘆く官僚は、自分たちがその原因をつくっていることに気づくべきである。(池田信夫 blog)

そもそも、WinnyってYouTubeGoogleと比べるほどのものなのか? なら開発者に世界で初めて刑事罰を課したこの判決は至急報で世界に打電されているはずだ。ところが、おかしい・・・。
BBCを探すと、3年前の(金子被告でなく)実際にウィニーを利用して著作権を侵害した2人の逮捕記事が過去ログに残っているのみ。"winny Kaneko" で検索したらゼロだ。同様、AP通信もCNNもNew York Timesも、日本が誇る「天才」の受難を世界のメディアはことごとく無視している。
えぇぇぇ!!! 誰か抗議しろ!!! 国辱じゃねえか。ひょっとして、Antinnyというのは、日本の技術を潰すための刺客だったのか。
・・・冷静に考えると、そんな凄いものなら、リリース当初、日本だけでなく世界中で利用されていた筈だ。ちょうどYouTubeGoogleのように。だけど、Wikipedia英語版を読んでも、どうも日本以外で使われたという記述は見当たらない。
ウィニーなんてすぐ広まってしまう筈だから「日本封じ込め」の陰謀と考えるのは現実的じゃなさそうだ。つまり、ボーダレスの筈のITもWinnyに関してはコップの中のなんとやらで、所詮国内的小イベントで、ITにも国境があるということか。結局、ウィニーって普通にヘタレってことじゃないのか。少なくとも欠陥商品
ブログを徘徊すると、「刃物を作った人は犯罪人なのか」から果ては「アインシュタインは原爆を作る原因を作ったから犯罪者か」などがウィニーのファイルの如くある。弁護人までが「ダイナマイトの発明者は」と同じたとえしている。どうもclichéが多過ぎる。
多分、ウィニーというのはたとえてみれば、癌ではないが発癌物質ってとこじゃないだろうか。つまり、たとえるなら、細菌兵器とかプルトニウムポロニウムのような放射性物質を大気中に散布するようなものかと(そんな大物じゃないという向きがあるなら、ノロウィルス程度でもいいけれど)。いったん撒かれると、uncontrollableという点で大石英司さんはいいこと言っていると思う。
大体、このスピード感の違いに愕然とします。「あちら側とこちら側」の速度差というのは、「竜の卵」のチーラと人類ぐらい相当しそうです。」(404 Blog Not Found:極めて不当かつ想定の範囲内の判決)って、ちょっとそのう、世界全体が最速に合わせなければならない義務なんてないし、できるはずもない。世界は「あちら側とこちら側」もない。
一昔前、東西間で「あちら側」とこちら側」論争があって、「社会主義国に比べてこちら側の進歩のなさは」と嘆くのが商売の進歩的文化人が生息していた(今も残滓はあるようだが)。時代も変わり、今度はサイバー世界が理想郷、こっち側は守旧国という図式になった感がある。
こんなたとえ方すると顰蹙かもしれないが、ウィニー判決に抗議する人々を見ると、最近の朝鮮総連捜索に抗議する人々とつい重なってしまう。
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