幽霊が年金で資産を増やしているという話

いつも暇な時にお茶して世間話する人から聞いた話。去年秋に死去した80歳以上の遠縁の人にいまだ年金が振り込まれてくるという。死亡届も出しているというのに。
都内マンションで一人暮らししていた老人は、ほかに身寄りもなく、入院後は、同郷で遠縁の茶飲み友達の世話になり、マンションのキーも茶飲み友達に預けていた。そして、死亡。区役所に死亡届を出した。
当然、年金課にも死亡届が回り、年金支給が停止されるものと思い込んでいた。
ところが、マンションには、その後も年金の払い込み通知が届く。区役所に電話すると、年金受給停止の手続きをして下さいという。死亡届を出しただけでは受給停止にはならないらしい。
「そんなもの、嘘に決まっているよ。あいつら、ろくに横の連絡なんかしていない。知っていたら年金受給を停止し、正式手続きして下さいという督促書を出して来るだろ。そんなもの来ていない。知らなかったんだよ。腹立ったから、手続きなんて自分でやりやがれ。こっちは好意で遠縁の世話しているのに、なんでそこまでやらなきゃいかんのだ」とガチャンと電話を切ったという。
その後も、年金受給通知書は届くので、呆れて「勝手にしやがれ」とほったらかしにしているので、死者の貯金通帳残高は増える一方だ。
この人の場合、病院で死亡したとはいえ、実質孤独死だ。こんな話を聞き、年々増える孤独死を考えると、日本では幽霊の貯蓄率は高まる一方であることは推して知るべしだろう。人口が減少に転じたと言っても、それが即現役世代の高齢者を支える負担率が軽減するとは限らないようだ。高齢者1人の年金支える現役、初めて3人割る(読売)と言っても、高齢者の中には幽霊も相当数含まれている可能性大で、このままでは一向に埒があきそうにない。
こういう孤独者の遺産は相続手続きもされていない可能性も高く、その後、どうなるのだろう。結局、国庫に収められるのかもしれないが、かといって過払い分が、年金基金に戻る可能性は、お役人仕事のゆるさから見て低そうだ。もっとも考えられる可能性は延々と貯金通帳残高だけが増え続けているということじゃないだろうか。こういうのを遊休資産ならぬ幽霊資産とでもいうのだろうか。
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