ビョルン・ロンボルグのblog投稿炎上

ワシントンポストニューズウィーク合同のブログPostGlobalのディスカッションHow to Stop Global Climate Change?で、コペンハーゲン・ナンセンサスでお馴染みのビョルン・ロンボルグ氏の投稿が国際的に炎上しているようだ。
ロンボルグ氏のGet Your Priorities Straightを要約すると、
100年前の先祖が地球温暖化対策で化石燃料を使わず、現在の世界をもっと貧しくしていたら、我々は彼らに感謝していたろうか? 例えば、冷蔵庫のおかげで腐った食品を食べずに済み、1900年には最も多いタイプの胃癌が、今日では一番少ない癌になった。二酸化炭素削減は将来の最良の選択にならない。京都議定書に則って削減すれば毎年1800億ドルかかるが、2100年の温暖化をわずか5年遅らせるだけだ。
京都議定書で今世紀最良計7000万人のマラリア患者を減らせるだろうが、年に30億ドル(京都議定書の2%以下)を医薬品などに使えば280億人をマラリアから救える。すぐに温暖化阻止に取り組んでも今世紀を通して85兆ドルがかかり、マラリア患者を10億人減らすに過ぎない。最も効果的なことを優先すべきだ。コペンハーゲン・コンセンサスでHIVへの投資は1ドルで40ドル、栄養失調対策は30ドルの価値を産むのに対し、京都議定書は25セント、二酸化炭素削減はわずか2セントしか産まないとされた。気の利いた温暖化対策は京都議定書ではなく、リサーチ&ディベロプメントに基づいた非炭素系エネルギー技術への投資だ。私はGDPの0.05%、年間250億ドルを当てるべきだと提案した。ただちに解決されるわけではないが、費用が少なく、実行可能だ。これによって今世紀中には解決されるだろう。
2100年のごく普通の中国人やコンゴ人、コロンビア人が2007年を振り返ったら、恐らく現在の我々がほんの少し地球温暖化を遅らすのに膨大な資金を投じたのを知り驚愕するだろう。そして、「私たちは今は豊かなのに、なぜ貧乏だった祖父や曽祖父を助けてくれなかったのだろう」と考えるだろう。

とまあ、こんな具合に20世紀初頭から21世紀末にまでわたる過去現在未来の壮大な絵空事物語なのだが、京都議定書(これも本当はダメポではあるのだが)の対策費と彼の提案する「投資」とどこが違うのかさっぱり分からないが、なぜか前者はわずか5年延期、後者は今世紀中に解決だとさ。
反論(ほとんど全部)を拾ってみると、
I really dont think you are being honest with your stated intention of helping the poor(私は貧しい人々を助けようというあなたのメッセージが本心と思えない)
From an economics standpoint, he's also conveniently leaving out 1) the tremendous economic growth potential in developing sustainable technologies and 2) the economic and political instability that could result from dramatic anthropogenic climate shifts.(経済学的観点から、彼は都合よく?持続可能技術開発に莫大な経済成長が必要なこと?激烈な人為的気候変動から生ずる経済的、政治的不安定―を都合よく省略している)
As a climatologist, I always find it interesting how environmental problems can be boiled down to economic choices (after all, economics is not purely a monetary science, but rather a social science focusing on decisions that minimize opportunity cost). Global warming is not an economic problem - it is a national security issue.(気候学者として環境問題がどのように経済的選択に還元さるか注目している。<経済学は純粋な金融科学というより機会費用を最小化する決定に焦点を当てる社会科学の色彩が強い>地球温暖化は経済学的問題というより国家安全保障の問題だ)
I stopped putting any weight on anything he says since Scientific American debunked his book several years ago (they showed he is not just misinformed, he actively misleads).(サイエンティフィック・アメリカンが数年前、彼の本が誤解を与えるどころか故意に誤解させようとしていることを暴露して以来、彼が何を言おうが、気にしなくなった)
Overnight, those advocates of maximum profits for them and their shareholders have started preaching love of one’s neighbour, war on poverty, misery, malnutrition and diseases, even the duty to help « the poor, desperate Chinese ». Those should be, they now claim, our top, almost exclusive, priorities. That new « humanitarianism » only succeeds at making me more cynical than ever. I do not even find it amusing anymore…(自分たちや株主の最大利益を唱導していた彼らは一晩で隣人愛、貧困や窮状、栄養失調、疫病との戦いを説教し始め、貧民、悲惨な中国人を助け出す使命を言い出した。それらが最優先すべきことだと。この新人道主義者たちには最強にシニカルにさせられ、もう笑う気にもなれない。)

などなど。あまりに膨大なので全部紹介できないのが残念。一番気に入ったのは、
What an idiotic post.
簡にして明だ( ´∀`)
私も負けじと、簡にして明なこと投稿してしまった。
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