書名不当表示

最近の本のタイトルには実質「不当表示」がはびこっているように思える。広告も食品表示も法で規制され、最近ではテレビ番組にも厳しい批判が加えられているというのに、書籍だけは聖域らしい。
例えば、最近目に付いたもので「医学は科学ではない(404 Blog Not Found)」など、その好例だろう。医学 medical scienceが科学でないというのなら、じゃあ何だと言うのか。目次だけ見ても、そんな額面通りの高遠な思想など見受けられない。
アマゾンのカスタマーレビューでも「誤解を招く書名」と批判されている。
恐らくこの書名は著者ではなく、出版社が決めたのだろうとは思う。まともな著者ならこんな阿呆なタイトル付けるなんて恥ずかしくてできるものじゃない。どう考えても出版社側の釣りだ。著者が異議を唱えても、販売戦略から黙認せざるを得なかったのだろうことは想像がつく。
食品表示食品衛生法の規制を受けている。誇大広告などは不当景品類及び不当表示防止法で規制されている。
しかし、本の場合、言論・表現の自由から「不当表示」であっても、それが理由で規制を受けることはないようだ。以前、アガリスク本を出版して摘発された事件があったが、これは薬事法違反(承認前医薬品の広告禁止)である。
純粋に訳分からん書名、芸術的書名はアリだろうから規制するのが難しいことは分かる。しかし、どう考えても内容と書名に明らかに著しく不整合な場合というのはあるだろう。
本の場合、「内容と書名が違っている」とクレーム付けても返品に応じてくれそうにないし、書名の不当表示で摘発された本なんて聞いたことないのだ。
買ってしまった以上、書名で釣られた購読者は古紙を手にしているに過ぎない。例に挙げた本だって書名さえ違えば相応の価値ある本なのだろう。しかし、書名に釣られて買った購読者には何の慰めにもならない。「そんなことに興味持って買ったわけじゃない」と叫んでも後の祭りなのだ。
「書名不当表示法」という法でもできれば、恐らく書籍の売れ行きはかなり落ちるだろう。毎日発行される本の書名を精査すれば、かなり内容不一致なのが多いだろう。
一冊の本を書くことは簡単でない。しかし、購読者を釣る書名を考えるのは何千分の1も簡単だ。費用対効果の観点からすれば、書名で釣るというのは、経営戦略から考えても有利なので今後も変な書名の本は発行し続けられるだろう。
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