9.11テロ世界はこうして勘違いした

なぜか9.11米同時テロ陰謀説が世界的に再燃しているような。「決定的証拠」はこれらしいのだけれど、このBBCの女性レポーターは災難だろう。
要するに、ソロモンブラザーズビル(WTC7)が崩壊する前にレポーターが「崩壊した」と言ってしまい、「事前説明を受けていて、シナリオ通り喋った」⇒BBCも陰謀に加担していたということらしい。BBCの見解はココ
でも、BBCレポーターは現場からはるかに遠い場所で中継しているわけで、目の前で中継しているわけじゃない。現場では、もう「崩壊している」ことは分かっているわけで、現在進行形が現在完了形で言ってしまっただけなんだと思う。
こういうのってよくあることで、日本のテレビでもレポーターより放送スタジオや視聴者の方が最新情報を知っているケースってままある。現場にいたって、現場で知りえない情報は彼らは入手するのが遅れる。なにせ忙しいから目の前のことで一杯だ。
今回の場合、「まだ崩壊していない」ことは視聴者は知っている。レポーターだってずっと現場を見ているわけにはいかないので、ニューヨーク支局に入った最新情報を元に喋っている。「おい、おいまだ崩壊してないだろう」と言ったって、彼女が嘘をついていることにはならない。生の映像情報と言語による最新情報とは微妙にずれていたというだけの話だ。
大体、彼女はアレがWTC7だと思っていたかどうかさえ怪しい。よほど見慣れていなければ、遠景のあのビルがWTC7かどうかなんて確信できるものかどうか。きっと煙に覆われているところにあるのだろう程度の認識だろう。自分の得た最新情報と実際に見る風景に齟齬がある場合、勘違いし易い。
例えば新宿高層ビル群をあれぐらいの遠景から眺めて、あれはどこそこのビルだとはっきり言える人ってどれくらいいるんだろう。彼女はNY支局員であっても、WTCウォッチャーじゃないのだ。

陰謀説の根拠は、ビルの崩壊の仕方が、よくテレビで見る古いビルをたくさんのダイナマイトを同時に爆発させてで一気に崩壊させるcontrolled demolitionという手法とよく似ているということにあるらしい。(参考)
でもねえ、似ているけれど、違うねえ。Controlled demolition hypothesisとは別の崩れ方している。同時にあちこちで爆発が起きているけれど、WTC7ではそんな同時爆発起きていない。
大体、ツインタワーだって飛行機が突っ込んだから崩壊したんじゃない。熱で鉄骨が溶けて崩壊したわけで、理由はWTC7と同じ。
ondograph←のグラフを見ると、なぜ崩壊したかが分かる。朝からずーと、熱せられ続ければ、物理的必然でへたれてしまう。
「これまで火災でビルが崩壊したことはない」なんてナレーションされているけれど、そりゃこんな高層ビルがこんな熱に曝されたことなかったからそりゃそうだろう。でも、正確にはその前にツインタワーが崩壊しているのだから、これは間違いだ。
ツインタワーは飛行機が突っ込んだから崩壊したのじゃない。大規模火災で崩壊したんだよ。
そうでないというのなら、飛行機が突っ込んだ直後に崩壊しているはずだが、実際にはかなりのタイムラグがあった。鉄骨がビルを崩壊させるまで十分に熱せられるまで時間がかかったんだよ。
ちなみに「The building about to blow up」というのは、「ビルが崩れかかっている」というのが適切な訳。blow upに引き摺られて「爆発する」というのは間違いで、口語で「ぶっ壊れる」程度の意味だ。
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