ライブドアと日興を単純比較する無意味

ハコフグマン:日興の上場維持とホリエモン有罪 ライブドアの53億円利益水増しは、あれほどの社会的制裁を受けた上で実刑。日興のそれは、189億円水増しで課徴金のみということだから、何を判断基準にして株を買ったらいいか分からない。
別に日興コーディアルグループ上場維持が妥当とは思わないけれど、少しだけよく考えれば、ライブドアの方がはるかに酷いことは素人でも了解できると思う。
東京地検ライブドアの粉飾容疑は
2004年9月期の連結決算において、実態は3億1300万円の経常赤字であったにもかかわらず、業務の発注を装い架空の売上を計上すると共に、ライブドアが出資する投資事業組合がライブドア株式を売却する事で得た利益を投資利益として売上に計上、53億4700万円の利益を計上することによって50億3400万円の経常黒字であったとする、虚偽の有価証券報告書を関東財務局長に提出した疑い
だ。
ライブドアは、2003年9月期の経常利益13億円だったのが、2004年9月期には50億円だ。株価に与える影響度を前年同期比で現せば、その影響度は3.8倍だ。本来なら赤字転落であるのにだ。赤字だから実際の水増し度は計測不能なほどだ。水増し分を前年の数字で割ったら4.1倍だが、心理的インパクトは計測不能としか言いようがない。
一方の日興CGは本来経常利益約588億円とすべきところを約777億円とした。約30%の水増しだ。株価に与える影響度は前年の経常利益が約768億円なので約1.01倍だ。水増し分を前年度の数字で割ると24%だ。
粉飾が株価に与える影響の度合いから見ればライブドアの方がはるかに大きかったことは歴然だろう。
ライブドア時価総額を膨らますため極めて戦略的に粉飾した形跡があるのに日興CGは損失を補填するための戦術的粉飾だったことが数字を見ても納得できる。(戦略粉飾と戦術粉飾)
ほかのブログでも粉飾の絶対額だけ見て「日興の方が酷い」という見方が多いが、酷さだけなら比較にならないくらいライブドアの方が酷いのは一目瞭然だと思う。少なくとも天下り役員を受け入れるとか、「刃向かう奴はこうなるのだ「身内」には甘いという大向こう受けする単純明快なものでないことは確かだ。
だからといって、日興CGが上場維持していい、とは思わないけれど、数字だけ見れば存外、東証は「公平」に見ているように思える。TOBという特殊要因がなければやはり上場廃止と決まっていたのではないかとも思える。それでも依然なぜライブドアが立件され、日興コーディアルについては立件の動きが見受けられないのかという疑問は残ったままだが。
とにもかくにもライブドアと日興の単純比較はそろそろやめてもいいんじゃないかと。
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