アンケートと称して念書を強制する保険会社

住宅用火災・地震保険の契約申込書に印鑑押してからアンケート調査用紙を渡された。アンケートと言っても、要するに「ちゃんと契約内容を理解しましたか」という確認用アンケートで「はい」「いいえ」で答えるものだ。正式には「契約内容確認シート」と言うようで、一連の保険金不払い事件を受けて今年から金融庁の指導で損害保険会社に義務付けたのだという。
実質、たった今確認したこと、「地震保険の有無はご希望にあってますか」「補償の内容はご希望にあってますか」などなどをひとつひとつ「はい」「いいえ」どちらかに○を囲む。考えたら人をバカにしたアンケートだ。
たった一つ「重要事項等説明書の中でご不明な点がないか、ご確認いただきましたか」は「いいえ」に○にした。「重要事項等説明書」とは、これも不祥事後、金融庁が指導して細かすぎて読んでくれない正式な約款の代わりに作らせた約款のダイジェスト説明書のようなものだ。
だけど、たった今渡されたばかりなのに「ご不明な点」も何もないだろう。「重要事項等説明書」といっても、正式な約款並みに小さな字でびっしり書かれている。読んで確認するには1日がかりになりそう。今すぐ読んで「はい」なんて○書ける訳ないだろが。
後日電話でいいから「確認した」と連絡してくれという。そうでなければ契約が成立しないのだという。これも金融庁様のご指導でしょうがないという。あんなアンケート、法的根拠あるんだろうか? ある訳ないよな。そもそも全部「はい」じゃないと契約しないなんてアンケートの次元を超えていて念書だろう。法的根拠は約款に決まっているもの。
けれど、肝心の正式な約款は契約成立後郵送である。契約してから約款内容を知らせてくるなんて順序が最初から逆転している。「重要事項等説明書」などいくら読んでも、正式なものではなく約款の解説書みたいなものだ。それを読む読まないかで契約の可否が決まるなんてワケワカメだ。
約款読んでくれないからその解説書を「読みました」と答えさせて約款を読んで確認したことと見なす、というものだろう。
つまり、「あなたは約款をちゃんと読んで契約したのだから、保険金不払いされても文句言えませんよ。約款にそう書いてあったでしょう」と、いざ問題が起きた時の動かぬアリバイ証拠を突きつけるための保険会社側の損害保険なのだ。これも全部、金融庁のご指導なのだ。
だけど、約款読んでないもんね。約款見せられていないのに読めるわけないもんね。だから文句言えるよ。
大体、約款が細かすぎるのは、不払いできる理由をできるだけ沢山作るためのものだ。素人は仮に約款全部読んでも理解しきれないだろうし、理解しても「いや、これはこういうことです」とか約款読んだだけでは理解できない「専門的解釈」が説明されて誤魔化されるのが目に見える。
「読んだって、そんな風に理解できない」と突っぱねるしか対抗策はない。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 経済ブログへ