京都議定書では国際船・航空のCO2排出は計算対象外

EU、温暖化ガスで船舶も排出規制・陸海空で包括対策(日経) 排出規制は国籍にかかわらず、EU域内を通行する交通手段すべてが対象。日本を含む世界の海運会社に影響が及ぶため、米国などの反発も予想される。 実は京都議定書二酸化炭素削減目標には航空機や船舶からの排出量は含まれていない。
日本の航空機・船舶の排出量は日本国温室効果ガスインベントリ報告書(2006年8月)の411ページ(2004年)の「Memo Items」として記載されている。そう、「メモ」、参考扱いなのだ。
International Bunkersに当たるのがそれで、訳せば、国際燃料庫、国際的外部物置という意味で、要するに枠外、欄外。
その数字はAviationは2119万トン、Marineは1792万トン、計3911万トンで公式の全体の排出量にプラスすれば約3%増えることになる。
1990年のInternational Bunkersが3081万トンだったので27%も増えている。世界全体の4%ほどだ。
なぜ「欄外」かと言えば、便宜置籍船などの問題があって、割り振りが難しく国際的に棚上げされているからだ。お陰で航空会社や船会社は国際便に限れば、排出し放題になっている。排出権を買う買わない、炭素税を課す課さないの問題から自由なのだ。
なぜアメリカなどの反発を受けそうなのかというと、「排出規制は国籍にかかわらず、EU域内を通行する交通手段すべてが対象」だからだろう。たとえEU域内であるとはいえInternationalであることには間違いなく、今までのように「枠外」のままの排出し放題とはいかなくなるからだろう。
アメリカからすれば、EU域内なのだから自分とこで言えばinterstateのようなもので、domesticと変わらないじゃないか、薮蛇なことしてくれるな、という感じだろうか。
そうなると、域内貿易が多いEUアメリカや日本など他国に比べて相対的に有利になるという思惑もあるだろう。域内には排出削減目標が定められている国と義務付けられていない国もあり、うまくやり繰りすれば、「実質国内」でも依然として枠外扱いされる部分が多くなるだろう。そもそも義務化されていない国々は最初から「枠外」bunkersなのだから。
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