IEAが石油もっと出せと要求

07年の世界石油需要予測を上方修正=IEA 国際エネルギー機関(IEA)は12日発表した6月月報で、2007年の世界石油需要の伸びが日量170万バレル(2%)になるとの見通しを示した。前回予測から20万バレルの上方修正となる。IEAは4カ月連続で石油輸出国機構(OPEC)に原油供給の拡大を要求。「現在のOPECの生産高は、季節要因で低迷しているものと期待する。生産の拡大が絶対に必要だ」との見解を示した。 IEAというのは客観的予測だけでなく政治的圧力も行う機関だということが分かる。違和感は「待ったなしの温暖化対策」のIPCCの見解とのギャップだろう。
wikipedia英語版によると、IEA加盟国は日本、韓国、トルコを除いて全部欧米圏の国だ(なぜか日本語版には中国も入っていることになっている)。ロシアでさえ入っていない。Only OECD member countries can become members of the IEA.なのだ。
当初1973-74年の第1次石油危機を契機に設立されたが、現在の焦点は、気候変動に関する政策と市場改革、代替エネルギー技術開発におけるコラボレーションということになっている。(参照)しかし、実際にはあくまで基本はOPECに対抗して設立されたように安定供給という名の下の石油産出国へ圧力機関であることが分かる。
IPCCが国連による専門機関であるのに対し、IEAはあくまで先進国クラブOECDのサブ機関だということだろう。
その結果、一方では化石燃料を減らせ、一方では需要が多いのだから増やせ、ということになる。いわば環境省vs.経済産業省の国際版みたいなものだ。
大体、OECDのような金持ちクラブなど今時必要なのかと思える。経済ももはや欧米主導の時代は終わった。温室効果ガスを排出する今後の主役も非OECD諸国に移行する。両者の不協和が温暖化冷戦のような状態を引き起こしかねず、結局、何も決まらずに2050年までに温暖化対策を先延ばしする構造的要因になっているように思える。もうIEAもOECDも廃止して国連に統合されるべきだろう。
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