ふるさと炭素税

東国原英夫宮崎県知事も出席し、27日に研究会が開かれるふるさと納税」は、都市部の知事さんたちには評判が芳しくないようだが、仮に「ふるさと炭素税」でも制定したら、今度はどんな反応が起きることやら。(環境便乗増税的色彩が強い「森林環境税」とは異なる)
仕組みは至ってシンプル。従来の道路特定財源一般財源化(これも評判が悪そう)をやめ、その中で揮発油税石油ガス税軽油引取税分をそのまんま東に炭素税に切り替える。加えて、自動車以外の石油や石炭、天然ガスの使用税も、揮発油税石油ガス税 軽油引取税から換算した炭素排出量に応じて課税する。
そして、この炭素税収を「炭素交付金」として、都道府県別の森林面積の割合に応じて配分する。同じ炭素で、こちらは炭素貯留、吸収に役立っているのだから、その「労働」並びに「炭素倉庫料」としての対価だ。
日本人1人当たりの森林面積は約0.2ha。東国原さんとこの宮崎県は1人当たりの森林面積が0.52haで断然有利。なにしろ、東京都の1人当たりの森林面積は0.006haなのだから県民1人当たりで86倍の「炭素交付金」が得られることになる。北海道となると、1人当たり0.99haだから東京の165倍だ。
さらに北海道の中で、財政破綻した夕張市は1人4.47haなのでなんと東京の750倍ももらえる。現在の道路特定財源の3税だけでも夕張市には年間約100億円入ってくる計算になる。夕張市の平成19年度年間予算は実質ベースで78億円だから、これだけでお釣りが来る。赤字分の返済も時間の問題だ。もうこれで夕張市の復活確定みたいなもんだ。住みやすくなるので人も再び集まって来るだろう。
なぜか財政が苦しそうな自治体ほど恩恵があるというところがミソ。そりゃ、森林面積が多いほど開発から取り残され、過疎化しているのだから、論理的に当然なわけだが。
細かく言えば、貰い手は県有林などの公有林に対しては、自治体に、私有林に対しては森林保有者が理想だろう。そうすれば、森林伐採防止、植林、あるいは直な利益追求の動機付けにつながる。
ま、森林の約3割を占める国有林そのまんま東で行って来いということだろうが、国有林の地価も、土地が産み出す利益率に応じて上がるだろうから、売却すれば国の借金返済にも多いに貢献することになる。もっとも夕張市の森林の約9割は国有林なので、そのまんま東だと夕張市の劇的復活はないので、国は夕張市にかなりの部分を払い下げするしかないか。というか、国は地元自治体に国有林の固定資産税を納める形で還元すればいい。
このような制度は本来、世界全体でやらなければ、地球温暖化防止策には直接結びつかないが、来年には洞爺湖サミットもあることだし、まずは隗より始めよ、だろう、安倍ちゃん。
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