なぜ議員辞職でなく農水相罷免要求なのか

[赤城農相]事務所費問題で釈明「架空計上ではない」 赤城農相は7日夕、農水省で記者会見し、「架空計上ではない」と説明した。これを受けて安倍晋三首相は同日、「農相はしっかり説明した」と擁護、野党からの農相辞任要求を「そういう問題ではない」と拒否した。ただ、野党は今後も農相の辞任を求めると同時に、首相の任命責任を追及する方針。
佐田玄一郎行革担当大臣や松岡利勝農水相の時もそうだったが、事務所費の問題は直に議員の資質・職責の問題で、大臣の職責とは直接関係ない。
なのになぜかまず首相の任命責任が問題とされ、議員としての資格は問題とされない。しかも、いつも大臣に就任した途端にばれる。まことに不思議な話だ。
裏返せば、入閣してない議員も多かれ少なかれ、赤城徳彦農水相松岡利勝農水相佐田玄一郎前大臣と同じことをしているということで、議員のままだと問わないが、入閣したらばらすという事務所費カードの価値が高まるというだけの話だ。「身体検査」しないで登用した安倍晋三首相の任命責任など副次的問題に過ぎない。
為すべきことは議員全員の身体検査であって、事務所費をカードとして隠匿しておくことじゃない。首相の任命責任の前に問われるべきは、選挙の際の公認責任だ。で、これらの方々を公認したのは、直近では2005年の衆院選、すなわち小泉泉純一郎総裁であり、その下の武部勤幹事長である。公認責任は彼らにある。当時、飯島勲首席秘書官は身体検査してなかったのか。
社民党辻元清美議員が議員歳費流用問題で辞職したが、あれだって事務所費の問題だ。辻元議員はもちろん入閣してなかったので、捨てる肩書きは議員しかなかったので議員辞職した。辻元議員は逮捕されたが、今回の一連の事務所費問題も私的出費の事務所経費化という税法上の問題がある。けれど、入閣組は大臣という上着一枚脱がされることだけを要求され、議員辞職は要求されない。現実に佐田玄一郎前大臣は今も代議士として健在だし、議員資格を問う声は聞いたことがない。
まことに不思議な世界だ。つまり、事務所費問題は議員という利害共同体の中では自治体の裏金問題と同じで、その利害共同体に穏便にとどまっている限り許容範囲であり、入閣したり、辻元議員のように飛び跳ねたりした場合は、ばらすこともありますよ、という「担保」として利用されているのだ。そういう「慣習」は議員利害共同体には都合がいいのだ。
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