河童のクゥと夏休み

kappa1河童のクゥと夏休み」は江戸時代の村の暗闇から始まる。暗闇にも色々あって、混じりけのない暗闇というものがある。この暗闇こそ河童とともに失われたものだ、と言いたげに。アニメ映像なのにある意味、この暗闇は実映像以上に物凄くリアルだ。現代に移って一瞬暗闇が蘇りそうになるのは、東京タワーの真上に龍が出て来るシーンだけだったような気がする。
kappa0上原康一がクゥを背負う姿は、「火垂るの墓」の、両親を失った14歳の清太と4歳の節子の兄妹を思い起こさせる。邪魔者扱いされ、行き場がなくなった者同士の哀しみ。これはいじめられっ子の物語でもある。
岩手県座敷童子(わらし)や沖縄のキジムナーのような精霊が河童のお友達として出て来る。みんな暗闇の住人だ。犬も友達だ。
個人的な経験だが、最後に救われる沖縄はまだ暗闇が残っている地だ。個人的な経験だが、最後に救われる沖縄はまだ暗闇が残っている地だ。そう書いているうちに「アコークロー」でも同じようなこと書いていたこと思い出す。あっちもキジムナーが登場している。
アニメ的には、クゥに相撲でソファに投げ飛ばされて受け入れ難い現実に直面した時の、妹の呆けた表情がリアルで面白い。実物の俳優でも、ああいう表情出せる人ってなかなかいないと思う。
関係ないかもしれないが、最近のイグアナとか、ヘビとか、およそ従来のペットの概念からかけ離れた動物までが、ありとあらゆるものがペットとして飼われている現実と、河童のファンタジーとはどこかで結びついているのだろうか。
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