トランスフォーマー

transformersこういうアニメから実写映画化というのを見せつけられるというのは、日本映画にとってはある意味屈辱的なのかもしれない。ロボットが自由自在に車や戦闘機、ヘリコプターに変身するなんて発想は、日本の漫画では半世紀近く前からあっただろうし、こういう類の玩具のトランスフォーマーは日本発だ。
映画の中でも、こんなロボットは「きっと日本製だよ。日本製に決まっているよ」なんて台詞吐かれているくらいだから、おちょくられている気分になった関係者もいるんじゃないだろうか。一応、日本への敬意らしいが。
ただ、映画自体はB級としか言いようがない。UFO物で語られているマジェスティック12らしき組織が登場するが、これはトルーマン大統領の時代のこと。さらにフーバー大統領の時代に造られたフーバーダムまでが秘密隠蔽のネタに使われている。
極地の氷床の中に埋もれていたというのも、エイリアンVS.プレデターの設定と同じ。アイスマンなんて言葉が使われているけれど、あれはアルプスの氷河だろが。
トランスフォーマーを封じる策が冷凍にするというのもどっかで見たことがあると思ったら、「ターミネーター2」のリキッドメタルマンの変身を封じ込める作戦と同じだ。けれど、あっちは液体金属だったから有効だったけど、こっちの金属生命体には通用せんと思う。リキッドメタルマンも最終的には溶鉱炉に放り込まれて合金化されるまで封じ込められなかったが、こっちも冷凍より溶解だろ。火炎放射器焼夷弾の方がよっぽど有効と思うのだけれど。弾丸いくら撃ち込んでも食糧与えているだけな気がするが。
中東カタールの基地にとどまっている間に核攻撃という手もあったが、いくら映画でもそれは不謹慎なのだろうか。それとも、下手に核攻撃すると、ウランやプルトニウムを取り込んで核兵器に変身することを誘発しかねないので、まずいという合理的推論が働いたのだろうか。しかし、彼らとはいえ、自爆してしまうことになる核爆弾に変身は無理だと思うが。
大体、最初の変身がアフガニスタンで行方不明になったヘリコプターという設定というのも不自然。カタールなのだから「イラクで行方不明」が自然なのだけれど、いくら何でもイラクじゃアメリカ世論の反感を買うという政治的配慮が働いたとしか思えない。
金属生命体もハッキングで複製変身しているようなので、ある意味、彼ら金属生命体はコンピュータが造る未来の生命体を予感してなくもない。けれど、彼らの攻撃はサイバーテロと抱き合わせな感じで、ついこの前見た「ダイハード4.0」になんか雰囲気が似ている。あっちはF35、こっちはF22。未来はやっぱり戦争でしか開けないのだろうか。
それから、あの「キューブ」というのも、どう見てもルービックキューブのギャグだろう。
ところで、最後は海溝に埋められるわけだが、次回作の伏線にするつもりなのだろうか?
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