環境プロジェクトが環境を悪化させるメカニズム

中東産油国、省エネ競う(日経) UAEアブダビ首長国政府は国際空港の近くに面積6平方キロメートルの省エネ地区「グリーンシティー」を建設する。総工費は50億ドル(約5800億円)。2009年に開業予定で、敷地内には工場、学校、住宅、商店を設ける。使用電力のうち4万キロワット分は太陽光発電でまかなう計画。日米欧の企業に1キロワット分のサンプル発電装置を用意させたうえで、入札で2、3社の納入会社を決定する。発注額は3億5000万ドルを超える見通しだ。
4万キロワット分の太陽光発電は当然、二酸化炭素排出を削減したと見なされて、オイルマネーでたっぷり儲けた国が、先進国に排出権で還元するという感じで、京都議定書の詐欺性を炙り出すのには分かり易い象徴のようだ。
石油輸出国としては、今後とも先進国に石油を買ってもらいたい。この「グリーンシティ」はオイルマネーによるモダンな街建設とともに、お得意様つなぎとめとしての排出権提供(結局、これも石油消費維持としてUAEに利益が還流してくる)という石油輸出国、輸入国双方の利害が一致したということだろう。
このグリーンシティはWorld's First 'Zero-Carbon' Cityだそうだが、物は言いようだ。スイスのツェルマットをよりスケールアップした中東版がうじゃうじゃ出来てしまいそうだ。普通に考えれば、今現在ある建物に太陽電池付ければいいわけだが、それだけでは、先進国の建設会社が儲からない。太陽電池だけじゃ儲けが高がしれている。
現在の中東はバブル時代の日本の建設ブームを彷彿させる。グルーンシティも未来的なイメージを見せても、基本的に内需拡大策、オイルマネー還元策であり、持ちつ持たれつの構造がある。ソフトエネルギーはそのための化粧なのだ。このグリーンシティのプロジェクトでますます二酸化炭素排出が促進され地球温暖化が進むことは言うまでもない。
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