相互確証スキャンダル

就任1週間、何もせず 農水相、報道直後に辞任決意(朝日) 遠藤武彦氏で農水相系としては四重塔になったわけだが、早速身体検査の杜撰さを指摘する声が盛んに出ている。しかし、これは身体検査の問題ではなく、永田町スキャンダルウォーズにおける「スキャンダルの均衡」の崩壊、「平和(お友達)政権安倍内閣」の抑止力の脆弱性によるものだろう。
参考の相互確証スキャンダルは、
スキャンダルネタを保有して対立する陣営のどちらか一方が相手に対しスキャンダルをリークした際に、もう一方の陣営がそれを確実に察知し、報復を行う事により、一方がスキャンダルをリークすれば最終的にお互いが必ず痛い目に遭う、という状態のことを指し、互いにスキャンダルのリークをためらわせる。
というスキャンダル抑止理論だ。
安倍政権の弱点は、実は抑止力としての、敵陣に撃ち込めるスキャンダルの弾頭数が前政権の小泉内閣に比較して、圧倒的に少なく、また命中精度(タイミング捕捉率)も低いので、脆弱性が露になったということではないか。
およそ議員を何年もやってすねに傷を持つ人間などほとんどいないだろう。身体検査に引っ掛からない方がおかしいのだから、身体検査、身体検査と騒ぐこと自体が無意味なのだ。
思えば2006年初春、民主党は与党追及4点セットと大ハシャギしていた頃、永田メール事件という報復の爆弾に直撃され、民主党前原体制は、党首もろとも吹っ飛ばされ、小泉政権の抑止力をまざまざと見せつけらて、ついに小泉内閣打倒は最後まで腰砕けで終わった。
その頃、「民主党はチャンスをピンチに変えるのが芸」などと揶揄されたのも、実際には、小泉政権の圧倒的抑止力、即応報復体制が背景にある。必要なのは身体検査などではなく、スキャンダル報復力の整備なのだ。
ところが、安倍政権になった途端、永田町内安全保障体制のバランスが崩れた。「お友達」とは仲が良いということではない。敵ミサイルに報復するスキャンダルネタの保有量が質量ともに不足しているということだ。
現実、参院選後も、民主党に放たれたミサイルは、賭けゴルフにしても、姫の不倫にしてもしょぼいネタばかりで質が落ちている。
若さの欠点は、実は敵の弱味の蓄積が少ないということで、反面、小沢一郎は、元自民党幹事長としての蓄積があり、まだ発射されていない弾頭スキャンダルをかなり保有していると見られる。このことはなぜ農水相系に多いのかという疑問とも大いに関係ありそうだ。小沢が先の参院選で農村部に強かったという事実と符合する。
これらは消すことは不可能なので、対抗するにはより質の高いスキャンダルネタを蓄積し、相互確証スキャンダルが働くスキャンダルの恐怖の均衡を早く取り戻すしかないだろう。
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