ワトソン博士は正直に良いこと言った

The Sunday TimesのDNA螺旋構造の発見者の1人、ジェームズ・ワトソン博士のインタビュー、「黒人差別」に批判が出ているようだがかなり素直に受け入れられる。
問題の箇所はここらしい。
He says that he is “inherently gloomy about the prospect of Africa” because “all our social policies are based on the fact that their intelligence is the same as ours – whereas all the testing says not really”, and I know that this “hot potato” is going to be difficult to address. His hope is that everyone is equal, but he counters that “people who have to deal with black employees find this not true”. He says that you should not discriminate on the basis of colour, because “there are many people of colour who are very talented, but don’t promote them when they haven’t succeeded at the lower level”. He writes that “there is no firm reason to anticipate that the intellectual capacities of peoples geographically separated in their evolution should prove to have evolved identically. Our wanting to reserve equal powers of reason as some universal heritage of humanity will not be enough to make it so”.
彼の言ったことは社会政策は全て彼ら(黒人)が我々(白人)と同じだという前提にしているが、あらゆる試験はそれを否定し、黒人を雇ったことのある人もそれを知っているというものだ。
まずワトソン博士は間違ったことを言ってないことは確かだろう。一部では、「黒人は遺伝子的に劣る」と発言とあるが、そんなこと彼は発言していない。単に(白人が定義する社会的)知的能力で黒人は一般的に劣る傾向があると言っているに過ぎない。それが遺伝子レベルに遡れるかどうかは言及していない。妥当な見解だと思う。
IQと遺伝子には明らかな相関があり、その遺伝子の一部も同定されている」(池田信夫blog)という話もあるが、IQそのものが社会的価値尺度である以上、その同定された遺伝子も、社会的文脈を反映して同定されている可能性が高い。我々素人はついつい「○○を司る遺伝子」が発見されたとなると、直に1対1の絶対的関係があると思い込みがちになるが、遺伝子と言っても、そんな都合よく社会的価値を司る遺伝子などあるはずもない。遺伝子の解読も社会的文脈で解釈される可能性が大だ。
現代では「知能」は肉体能力よりはるかに優越的地位のある「能力」とされている。それもまた社会的文脈のなせる業だ。つまり「知能」の高さも社会的文脈の高さで定義され易い。ワトソン博士は「従業員」という極めて限定的な社会的「知能」において劣ると言っているに過ぎない。
一方、黒人には明らかに遺伝的に他の人種より優れていると思われるものもある。筋肉のバネとかリズム感とか。しかし、そう言っても誰も白人や黄色人種に対する人種差別だと非難しない。肉体的能力は優越的能力ではもはやないからだ。
しかし、「知能」だけは別だ、平等でなければならないと大抵の人は思い込み、「知能が劣る」と言うと非難される。
しかし、それはおかしい、とワトソン博士は最後っ屁的に言ったのだ。むしろ、ワトソン博士は「知能」なるものを一般人よりもはるかにバイアスなく相対的に見ているように思える。現在の「知能」の定義はどう考えても黒人に不利に定義されているということだろう。
よってこれは「科学的な人種差別」(404 Blog Not Found)とも何の関係もない。
また、
どうもIQの話ではなく、より抽象的な”intelligence”について語っていることが分かります。残念ながらこれはアウトです。(赤の女王とお茶を)もアウト。IQだろうがintelligenceであろうが基本的に社会的文脈で決まる。
ワトソンが誤解されてバッシングされているとは言い難い。こりゃ、やっぱあかんのじゃないか。
 というか、これはけっこう危険思想ではある。
(finalventの日記)
餅突け。
一言で言えば、ワトソン博士は知能なんてなんぼのもんじゃ、とさえ言っているように見える。
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