ナベツネの影響力は世襲議員跋扈に比例する

1マスコミ人がなぜかくも政界に影響力を保持できるのか。ズバリ言えば渡辺恒雄読売新聞グループ会長の影響力は与野党問わず世襲議員の政界での支配力に正比例している。
渡辺恒雄主筆政治記者としての経歴は1954年から68年。今から半世紀以上前のことで、現在の与野党幹部がまだ子供だった頃だ。
1954年ナベツネ政治記者を始めた当時、福田康夫首相18歳、鳩山邦夫法相6歳、高村正彦外相12歳、渡海紀三朗文部科学相6歳、甘利明経済産業相5歳、石破茂防衛相(まだ生まれていないマイナス3歳)、町村信孝官房長官10歳、岸田文雄内閣府特命担当大臣マイナス3歳、渡辺喜美内閣府特命担当大臣2歳。
二階俊博総務会長15歳、谷垣禎一政調会長9歳、
小泉純一郎元首相12歳、安倍晋三前首相0歳。
麻生太郎14歳、加藤紘一15歳、河野洋平17歳。
以上は現閣僚、自民党党四役、首相経験者、派閥領袖の中から世襲議員をピックアップしたもの。
同様民主党では、小沢一郎代表12歳、鳩山由紀夫幹事長7歳、羽田孜最高顧問19歳、横路孝弘衆議院副議長13歳、江田五月参議院議長13歳。
平均すると9.5歳。ナベツネにとって現在の与野党幹部は洟垂れ小僧なのだ。
父親の代から家に出入りして、父親のみならず奥さんとも懇意になり、プライベートなことも含めて情報を蓄え、それを鍋の中で常にいつでも食えるように暖めておく。食うためには皿が必要だが、読売新聞という自由にできる大皿があり、食い放題だ。これがナベツネのスタミナの源泉だろう。
多くの世襲議員にとって、子供の頃からのことまで何でも知られているような人間ほど怖い者はない。要するにキ○タ○握られているのだ。実際にはそれほど知られていなくても、そう思わせるだけで十分な脅威だ。与野党問わずお呼びがかかればハイハイと馳せ参じるしかないのだ。
今回の件でも、仲介役と言われているが、事実上の頤使だ。
ナベツネはつくづく幸運な人だ。「超世襲同士の総裁選」でも書いたが、世襲議員が主要ポストを占めるようになった1990年代以降、若い時に買い溜めした新規上場株が一斉に花開いて一部上場一流企業にまで成長したようなものだ。本人は1991年に社長になり、いよいよ社内的にもやりたい放題できる時期と一致する。 膨大な人脈資産が一番良いタイミングで活用できるのだ。
この影響力を削ぐには、非世襲系議員が主流にならなければならないが、少なくともナベツネの目の黒いうちは主流になりそうにない。池田信夫さんは、「渡辺氏こそ、今回の騒動の責任をとって引退すべきだ」と書かれているが、正直言って、彼を引退に追い込めるのは重篤な病気か、あるいは本人が書いているようにカラスしかいないだろう。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングブログランキング・にほんブログ村へ