ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く(1)

五次元時空randall2著者のリサ・ランドールはハリウッドのSF宇宙映画にも出演したこともありそうな容姿もスタイルも並みじゃない物理学界の綺羅星。読み始めたけれど、たとえがイマイチ分からない。彼女は、エドウィン・A・アボットの「多次元・平面国―ペチャンコ世界の住人たち 」の本から引用して、二次元世界に住む人たちが三次元物体を認識するのは困難と言う。
ペチャンコ世界=Flatlandとは二次元世界、平面だけの世界だ。そこをある日、三次元の球体が平面を通過する。二次元世界の住人はそれを球体と認識できず、平面に突然、円盤が現れ、そのサイズが大きくなり、やがて小さくなって消えるのだという。つまり、突然、平面世界に穴のような円盤が現れたと思ったら、また縮んで消えてしまうとしか観測されない、球体としては認識されないという。
けれど、二次元世界の住民って、1人だけじゃ円盤とすら認識できないだろうと思う。二次元人の視界は四方どちらを向いても線だ。
だから、球体が通過してもやはり線分が現れ、伸縮して消えるだけだろう。当然、二次元人は色々な場所で見ているので、科学者が情報を集めて、「円盤が一時的に現れ消えたと思われると」と報告できるかもしれないけれど、素人には無理だろう。。
二次元人にとって円盤という概念はわれわれ三次元人が野球のボールを手に取るように実感できるほど簡単だろうか。彼らが認識できるのは線分の濃淡だけで、キャッチボールしたら、線分が飛んできて長い線分になり、近くでやっと線が曲がっていることが光の濃淡で認識できて、円盤と分かる。けれど、その円盤は、三次元の我々が見る○ではなく、円周の濃淡だけで分かる円盤なんじゃないかと思える。
で、濃淡は光があって初めて認識できる。光源は太陽とすると、二次元世界の太陽系ってどんなんだろうと想像する。平面世界に太陽の○があり、地球●がある。●は○の周りを公転していて、同時に●自身自転している。
陽光は●の円周面しか当たらない。●の表面に住む二次元人は地平線にいつも線分の太陽があることになる。●の円周の近くに住んでいる人は赤道付近に住んでいるようなものだが、夜になれば太陽から一番遠くになるから一日の温度差は激しいだろう。円の中心は北極か南極に相当し、陽光の浸透度は常に同じなので一番気候が良いかもしれない。浸透してくればの話だが。
こう考えると、flatlandというのは想像以上に住みにくい世界だ。単に一次元欠けたといういことだけでなく、一次元欠けたことで想像以上に物凄く認識能力に足かせがはめられることになる。
その逆も真なりで、著しく認識能力に足かせをはめられた我々三次元人間が、時間も加えた五次元世界を想像するのは至難だろう。けれど、めげずに読み続けよう。
このエントリーの続編はいつになることやら。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングブログランキング・にほんブログ村へ