非核無責任体制

今朝のフジテレビに大阪府知事選に出馬表明した橋下徹弁護士が生出演し、持論の核保有論を撤回した。理由は1民間人なら意見として言えるが、政治家を目指す以上、憲法九条や非核三原則に従わなければならないのだという。
コメンテーターの「今でも核保有論を持っているか」の質問に答えたものだが、橋下弁護士唯一の取り得をいとも簡単に引っ込ませたのじゃ、もう何も残らない。これは嘘つき出馬宣言以上に政治家としての資質が問われる。
大体、コメンテーターも「核保有論者だと政治家の資質として問題がある」と前置きしていた。これは先般の鳩山由紀夫民主党幹事長の「核保有論者は民主党の候補者としてふさわしくない」という発言を引き取ったものらしいが、コメンテーターと鳩山幹事長のとは当然、立場が違うわけで、コメンテーターは「政治家の資質」まで拡大解釈している。およそフジテレビのコメンテーターにふさわしくない質問だ。しかし、コメンテーターは特段考えることもなく、自動的に核武装論=政治家にふさわしくない、と言ってしまったのだろう。
この自動化は「非核」が戦前の天皇の地位になりかわって絶対タブーになってしまっているということになる。今や天皇に変わって「非核無責任体制」が完成しているのだ。現実の日本の象徴は皇居におわすのではなく、空気の中にすっかり充満した「非核」という言葉に取って代わられている。
当たり前のことだが、憲法九条も非核三原則も政治家の信条を拘束するものではない。憲法改正を議論するのは国家議員の責務でもある。まして大阪府知事などそもそも核論議になんの関わりようもないポジションだ。なのに質問者は大阪府の財政危機を置いといて非核という踏み絵をまず踏まそうとする。
これほどバカバカしい状況なのに、いつもなら反論するはずの橋下氏はすっかり大人しくなり、いともあっさりと腰砕けで、簡単に変心してしまう。要するにこの程度の見た目と変わる人なのだ。
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