バイオ燃料叩きのアホらしさ

WIRED VISION:「現行バイオ燃料のCO2排出量は、ガソリンの5割増しから2倍」研究論文(英語版:Studies Say Biofuels Worse Than Gasoline)(同様のニューヨークタイムズ記事)
ということだが、かなりオーバーな気がする。
燃料となる作物を育て、収穫し、精製するのに必要なエネルギーを必ずしも考慮していなかったのだ。

はて、ガソリンだって、ガソリンとなる原油を採掘するための油田を開発し、実際に原油を採掘し、輸送し、精製するのに必要なエネルギーを必ずしも考慮しているのだろうか。原油は採掘場所次第でかなり「考慮」すべきエネルギー消費が違っている。バイオ燃料は基本的に地産地消に近い形での消費が可能だ。植物は人間の住む消費地なら大抵は育てられるのだ。

何より重要なのは、燃料用作物を栽培するためには、温室効果ガスを大量に吸収してくれる植生を伐採して土地を開墾しなければならない――あるいは、既存の農地に燃料用作物を植える場合には、それまで育てていた食物用作物の栽培場所を確保するために新たな農地を開墾しなければならない

こんなことに今頃気づいてどうするんだという気持ちはあるが、これ、最初から分かっていたことだろう。故に、むしろ、何を今更感が強い。
しかし、物は考えようだ。トウモロコシの殆どは家畜の餌だったのだから、要するに肉食を減らせばいい。アメリカ1人が1年に食べる肉の量は日本人の約3倍。その日本人も戦後、消費量が激増したにもかかわらずだ。単純計算すれば、今の日本人並みに減らしただけでもトウモロコシの大部分をバイオ燃料に回せる。おまけに牧場も3分の2は耕地や植林にLand Use Changeできる。
彼らノーテンキな科学者は現状の生活を変えないことを前提に当たり前すぎることをさも重大な発見であるかのごとくしたり顔で語っているに過ぎないのだ。
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