アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生

annie0アニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)はセレブを撮りまっくってセレブになった写真家。というか、セレブな写真家に撮られてセレブがセレブになったのかよく分からなくなる。色々なセレブが彼女についてコメントしているが、彼女の写真を凌ぐようなコメントはなかった。彼女の写真とセレブは一体成型されていて、凌ぎようがないというか。
annie1↑は、オノ・ヨーコに言わせれば、自分は脱ぎたくなかったということだが、多分、ジョン・レノンを浮き立たせるためのリーボヴィッツのアイデアだろう。どう見ても、ヨーコも脱いでいたらこの写真サマにならなかったろう。4時間後、レノンは射殺される。
これ→はベット・ミドラーを薔薇の花で埋めた有名な写真。無数の薔薇のトゲを全部抜いてミドラーも応じざるを得なくなったとか。日本でも映画公開イベントで、これを真似て土岐田麗子がやっていた。
annie2←は、オールヌードの女性軍団に見えるけれど、実際には、肌色のビキニを着けている。これも考案者はリーボヴィッツなんだろうか。その後、色々なところで真似られている。前田美波里も劇場で肌色の水着をつけ、観客が息を呑んだことがあった。一昨年の紅白歌合戦の騒動も、源流を辿ればここに行き着くようだ。
現在、当たり前のように見ている奇抜な写真やデザインも、彼女がオリジナルというもの随分あるように思える。若い頃はドラッグでラリっていたようで、多分にインスピレーションも授かったのだろう。セレブを追っかけただけでなく、セレブを材料にして時代の風景を作った人だ。けれど、セレブを自在に操るまでになるまでにはさぞ苦心惨憺だったのだろう。
このドキュメンタリーでは、アメリカの知性と呼ばれるスーザン・ソンタグとの交流に多く割かれていて、リーボヴィッツ自身がソンタグの死に触れる時、映画で泣いている。エネルギッシュで知性的悪戯の人だ。
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