リープフロッグ

【リープフロッグ】(leapfrog)通常のプロセスを飛び越して一気に上位の段階に進歩すること。3月3日のNHKクローズアップ現代・地球温暖化 インドのCO2を減らせ」で、ゲストの藤野純一国立環境研究所主任研究員が盛んに使っていた言葉。けれど、あまりのしょぼいリープフロッグに興醒め。
概略
インドは、数年後には中国、米国に次ぐ世界第3位のCO2排出国になると予測される。発展途上国の排出を抑えない限り地球温暖化は防げないと、ノーベル賞を受賞した国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)議長を務める、インド出身のパチャウリ博士は危機感を募らせる。博士らは、インドで電力の7割をまかなう石炭火力からの排出削減に力を入れている。鍵は、先進国の先端技術をいかに導入するかだ。また、貧困克服と排出削減の両立を目指して太陽光発電の普及にも取り組む。博士の、母国での活動と課題を通して、途上国が経済成長を続けながらも、CO2排出を削減することは可能か、探ってゆく。
紹介されたのは、電気が通じてないインドの村。石炭発電で電線を引くより、太陽電池パネルを設置し、夜も煌々と灯りが灯るようになって、内職のミシン作業も夜にできるようになって経済的余裕ができるようになったという話。
どこがリープフロッグかと言えば、それまで薪や石油ランプなどが唯一のエネルギーだったのが、一気に太陽電池にジャンプしたことらし。固定電話をパスして携帯電話を使い、電話線が不要ということもリープフロッグだとか。
そんな太陽電池の使い方、モンゴルのゲルでも行われているし、無人島の灯台でも使われている。番組では石炭発電より割安と言われていたが、そりゃ、そんな小規模孤立型なら太陽電池が割安に決まっている。
あまりの能天気さに苛立ったのか、国谷裕子キャスターが「これから冷蔵庫も欲しい、エアコンも欲しい、ということになったら、どうなりますかね」と尋ねても、藤野主任研究員はインドは太陽光そのものが多いし、森林の生育も早いんです」などと言ってお茶を濁していた。
大体、FAOの「世界の森林面積」を見ると、インドはそんなに多くない。64113000haで、人口1人当たりでは、わずか0.05haに過ぎない。日本の1人当たり面積が0.2haだから4分の1でしかない。いくら亜熱帯性で生育が早くても、こんなものに頼って「持続的成長」など心もとないのは分かりきったことだ。
パチャウリ博士も国立環境研究所もこんな程度の意識しかいまだ持っていないのだからお寒い限りだ。
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