カネのセンスがない文化庁

鎌倉時代初期の仏師・運慶の作とみられる「大日如来像」が18日(日本時間19日未明)、競売会社クリスティーズがニューヨークで開いたオークションで、1437万7000ドル(約14億円、手数料込み)で、日本の顧客を代行した百貨店・三越によって落札された。クリスティーズによると、海外で落札された日本美術品としては最高額。クリスティーズで過去最高とされるのは、87年にロンドンで落札された黒田清輝作「木かげ」の約176万ポンド(当時約4億2000万円)で、「大日如来像」はこれをはるかに上回った。(朝日)
後で知ったら、文化庁は4億円で買い取ろうとしたが、その倍額を希望した所有者に断られていたという。
結局、これから文化庁が買い取るとなると、最低14億円支払わなければならないことになる。所有者の希望額8億円を考えると差し引き6億円余計に支払わなければならないことになる。
恐らく、文化庁黒田清輝の前例にこだわって所有者の要求額を法外と思って断ったのだろう。
文化庁のセンスのなさが目立つ。大体、運慶と黒田清輝とでは格が違い過ぎる。8億円でも安い買い物だった。あらかじめオークションにかけられれば、どれくらいの値がつくか調査しなかったのか。
オークションに先立った東京都内のオークションプレビューで、
落札見込み価格は150万〜2000万ドル(約1億6000万〜2億1000万円)(毎日)だったというのだから、あまりの落差だ。このプレビューは文化庁のメンツを考えたやらせだったのかと思えてくる。しかし、国内的な文脈など国際市場で通用するはずもない。そもそもこんな高値が付いたのはなんとか国宝の国外流出を防ごうとやっきになった日本側の足元を見られたプレミアム価格だろう。さっさと買っておけばこんなに高値はつかなかったろう。このオークションは所有者の希望価格だった800万ドルから始まっている。
オークション価格はたまたま円高だから14億円だったが、円安時なら17億円だ。文化庁には本当にオークションの専門家がいるのだろうか。
どうでもよいことには無駄なカネをばら撒き、肝心なことにはカネをけちる。無駄なカネ遣いは国土交通省だけじゃなく、文化庁もなっていない。
[追記3/25]結局、落札は真如苑とのこと(産経)。宗教法人はさすがカネがある。福田康夫首相のお父様も少し関係があったそうな。
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