スルース

sleuth公式サイト。アンソニーシェーファー原作、マイケル・ケインジュード・ロウ。イギリスの食べ物とサスペンスは不味い。ハロルド・ピンター@2005ノーベル文学賞脚本、ケネス・ブラナー監督の「イギリスの2人の天才」のコラボレーションをもってしても、というか、だからこそ滑っているような。
1972年にもベストセラー推理作家役にローレンス・オリビエ、三角関係にある若手無名俳優役ケインで一度映画化されているが、今度はケインが作家役、俳優役はロウ。
何かイカれっぷりが大きすぎて凝った雰囲気の割に緊迫感がない。邸内の監視モニターが多用されているが、ただ外で強盗を演じさせられているロウの行動を見ているだけで、それ以上の意味は最後までない。携帯電話も、普通に携帯電話のまんま。天窓からフロアに下りるための電動式縄梯子のスイッチを切るにしても、だから何?って感じ。相手は若いのだから天窓に取り残されても別に立ち往生しないだろう。オリジナルに比べ、テクノロジーが多用されている割に生かしきれていない感じだ。
3発目が空砲というのもその時点で察しがつく。血しぶきはでないし、そもそも1時間半の上映時間だから、今死んだらもたんだろう。だからその後、訪れてくるロンドン警視庁の下品そうな刑事も「はてな?」とどうしても思ってしまうし、実際、そうだった。
大体、空砲とはいえ、最初の2発は実弾なのだから普通は気味悪がって二度と屋敷に近づかないか、近づいてもよほど用心するはず。いくらカネ欲しく、屈辱受けても。なんかピントが最後まで外れた寒いゲームだ。
そもそも、この映画のテーマはカネを持っていて若さを失った人間と、その真逆のカネはないが若さを持っている人間との確執の筈なんだが、イマイチそれが浮き彫りにされていない。
ラストがあっけなさ過ぎる。まさか、まだあるんだろう、と思っていたら、エンドロールが流れ出してどっちらけ。正直、食わせ物つかまされた気分。
脚本のハロルド・ピンター、もうとっくに頭が鈍化しているようだ。
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