ヒラリー・クリントンの「日本的状況」って何?

"I don't think we can work our way out of the problems we're in in the broad-based economy with monetary policy alone. I think the Japanese tried that and tried and tried that." (WSJ)
読んだ限り、ヒラリー・クリントン氏の「日本的状況=Japanese-like situation」の中身はこれだけ。日本が散々試みたように金融政策だけじゃ駄目と言っているだけ。
ところが、これを批判したビル・エモット氏は
エモット氏は、クリントン氏が日本の過ちは、財政出動よりも金融政策に過度に依存したことだと考えていることについて、「真実は全く逆だ」と反論。当時の日本が取った2大政策は、公共事業を中心とする巨額の財政出動と金融機関の損失隠しだったと主張した。(時事)と、あたかもクリントン氏が日本のバブル崩壊後の拙い政策のことを言っていると決め込んでいる。極東ブログ:日本経済の壮大な歴史実験から他国が学べることも、池田信夫blog:Six Lessons of the "Lost Decade" in Japan(英語版)もその線で言っておられる。
けれど、原文には、たった↑だけしか言っていないのに、日本の「失われた10年」のことだけを言っていると決め付けていいのかどうか。いやしくも、大統領夫人時代から90年代の日本を見ているヒラリーがそんな無知であるわけないと思う。日本のことは得意中の得意なエモット氏が日本のことを知悉しているだけに却って早とちりした可能性ってないんだろか。
むしろ、バブル崩壊後、最悪期を脱した今もなお超低金利政策を続けていても、さっぱりイケてない今現在の日本のことも念頭に入れている可能性があるのではないか。最悪期は脱しても、さっぱりデフレから抜け出せず、そのまんまスタグフレーションに移行しつつある日本の今現在の失敗を。
現実、FRB金利下げまくり、カネがアメリカから逃げつつある。ついこの前まで円キャリートレードがブームだったが、最近はドル・キャリートレードが流行っている。いくら金利下げてもヨーロッパは依然高金利を維持している状態だから金利下げるだけではアメリカ国内にカネが回らない、金利下げは国際的にマネーが以前以上に移動が激しい現在、以前ほど効果は期待できない、と言いたかっただけの気がする。特にbroad-based economyと強調しているところが引っかかる。もし、そういう意味なら至極まともだろう。
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