グローバル経済と石油のピークアウト

アンケートへの回答のお願い:安価な石油時代の終り
遅ればせながらSGWさんへのアンケート回答。原油価格高騰は、投機マネーによる上乗せ分を差し引けば1バレル=60〜70ドルぐらいだろう。実需価格から考えれば、まだまだ安過ぎてピークアウトするのはまだ先かもしれない。
これまでの原油価格は化石燃料として独立して価格が決まっていたが、最近はバイオ燃料に見られるように食糧品相場と相関しつつある。食糧も原油も元をただせば同じ生物起源の有機物なので、相関性が出てくるのは当然ではある。やがてこの傾向はもう一つの有機物、木材、森林の価格にまで影響するだろう。
つまり、原油価格を抑えるために食糧品、森林が代替品として見直され、食糧不足、森林伐採の加速を招く恐れがある。
その結果、食糧と森林が犠牲になる形で原油価格高騰が抑えられる可能性もある。
一方でグローバリゼーションによる世界経済の拡大はあと数年のうちにピークアウトするのではないか。物事というものは、それが誰もが当たり前と思うようになった途端に陳腐化し、気が付いたらピークを過ぎているもので、石油がピークアウトしようがしまいが、グローバル経済は収縮に向かうと思う。通貨のみの経済だけならグローバル経済は合理的だが、二酸化炭素排出による地球温暖化リスクが顕在化すると、グローバル経済の不合理な面が見直されることになるだろう。
しかし、原油価格の上昇が代替バイオ燃料によって抑えられれば、不合理なグローバル経済はしぶとく生き続けることになる。グローバル経済の不合理をさらに顕在化するには、今のところ存在しているだけではほとんど経済的利益を生み出さない森林を、存在しているだけで利益が上がるようなシステムをインストールする必要がある。(参照:炭素本位制ノート4〜森林保有は儲かる)
このような森林や食糧まで燃料需要が拡大するのを抑制するシステムができれば原油価格は投機マネーなしでも実需ベースで1バレル=100ドル以上が常態化するだろう。そのとき初めて「ん!」の字型状態が実現すると思われる。
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