バブルの予防も何もバブルは今ここにある

G7―バブルには治療も予防も(朝日社説) 長期間にわたり低金利が続くという期待が、世界的なバブル頻発の原因の一つといわれている。それをどう解消していくのか。G7は今後、こうした本質的な議論も深めていくべきだ。
この社説に関し、finalvent氏が「何を言っているのかわからん」と嘆いておられるが、要は社説が舌足らずだからだろう。
たとえば、世界の主要国の中で政策金利が、A国が7%、B国が5%、C国が3%,D国が1%だとしたら、世界は低金利状態とは言えない。単純平均すれば4%だ。しかし、バブルは発生する。投機マネーは一番低金利のD国で借りて他の国や市場で運用しようとする。バブルとは、マネーの一極集中化だ。今起きているのは金利差によって生じたマネーの移動による一極集中化だ。気象にたとえれば、低気圧、台風の頻発と似ている。台風は極端に気圧が低下した場所の移動だ。気圧が同じなら、暴風など起こりようがない。
仮に4国とも1%なら平均でも1%で世界的な低金利だがバブルにはならないだろう。そのときは世界中満遍なく不況で、金利差もないのでマネーは激しく移動しない。マネーの一極集中現象が起きる契機がない。
だから、社説の言う「長期間にわたり低金利が続くという期待」というのは、誤りだ。低金利そのものがバブルの原因ではなく、金利と高金利の共在が長期間にわたり続くという期待が正確なところだろう。ここでいう「期待」とは経済用語の誤訳で本来なら「予想」だ。
そして、今、サブプライムローン金融危機で日銀の政策金利が0.5%のまま今後も長期間にわたり続くという期待は維持されている。だから、今もバブルを生む契機は維持されているのでバブルは崩壊せず、投機マネーは今も元気に原油市場や穀物相場を徘徊している。
finalvent氏が挙げたチューリップ・バブルや南海泡沫事件は古きよき時代の古典的バブルで、主に限定的な地域の人々の熱狂に支えられた。今は熱狂が発生しなくても、金利差というビジネスライクな運用がバブルを支えている。これは地域を限定せず、次々と移動するので、常にどこかでバブルが起き、バブルが崩壊するという状況が続くことになる。
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