ちいさな恋のものがたり

chiikoi公式サイト。萩原将司監督、小野真弓田中幸太朗宮地真緒。誰が主演というよりも渋谷が主演な感じの映画。構造的には「結婚しようよ」に似てなくもない。
イントロから英語表記。恐らくこの映画は日本人より外国で上映された方が受けると思うし、製作側もそれを狙っているのかもしれない。
ほぼ純粋に渋谷をめぐる日本人の生態を描こうとしている。
渋谷に行くと、やたら写真取り捲っている外国人観光客をよく見かける。外国人の目にはとんでもなくハイパーエキゾチックというか、現実離れして見えるらしい。最近見た外国映画でも、渋谷の街が唐突にジャンプして出てきた。「ジャンパー」で。今や渋谷の風景はピラミッドなみの生きている世界文化遺産のようだ。
バンドを軸にして地方から父親を探しにきた若い女性、ヤクザ、特殊な接待業などなど。人物の関係が錯綜し、ヤクザにやられた女の子をたどっていけば、そのヤクザにたどり着くとか、一応主演の小野真弓が死んだ母親が遺した40万円を東京に着いた早々なくしたのに、奇跡的に元に戻ってくるとか、ご都合主義といえばご都合主義だが、案外渋谷は有機的にかなり狭い空間のようだ。
それほどうまくできた作品とも思えないが、外国人向けを徹底するなら「特殊接待」をもっと詳細に描いた方が良かったのではないか。あの金持ちのおじさんの「特殊趣味」をもっと発展させて描くとか。もう1人の業界を牛耳る人物の「特殊趣味」のしょぼさは省略しても良かったと思う。
もうちっと渋谷の現実離れ振りをオーバーでいいから踏み込んで描いて欲しかった。ラストも安易にハッピーエンドぽくしているだけで、たるかった。
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