自然の価値が上がり、地方の地価が反転する

3月の消費者物価1.2%上昇、石油・食品高目立つ (日経) 総務省が25日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の激しい生鮮食品を除くベースで100.8と、前年同月比1.2%上昇した。6カ月連続のプラスで、石油製品と食料品の価格上昇が目立つ。上昇率は2月を0.2ポイント上回り、10年ぶりの大きさとなった。
想定されたことだけれども、今後、下落続きの地方の地価が反転する可能性があるのではないか。自然の価値が上昇し、山野を抱える地方に見直し買いが入るとか。
炭素高ドル安」でも書いたけれど、「石油製品と食料品」の価格上昇が目立つのは「炭素」の価格上昇だ。より分かりやすく言えば、自然そのものの価格の上昇だ。自然には原油や食料品のような有機物もあれば、金、鉄など無機物もあるが、ともに急上昇している。無機物の値上がりは有機物の値上がりに付随したものだろう。
有機物に関して言えば、原油も食料品も木材のような森林資源も十把一絡げに「炭素製品」と見ることができる。「製品」というとまるで工業製品のようだが、「自然が作った製品」と考えてもなんら差し支えがない。バイオ燃料などは、エネルギーと食料品のバッティングだが、やがて食料品と木材とのバッティングが顕在化する。食糧を増産するには耕地を増やさなければならないが、森林は温暖化対策で伐採が困難となり、「森林製品」も高くなる。これから行われるだろう排出権取引はまだ序の口で、より厳正な「炭素本位制」に移行すれば、もっと森林の価値が高くなる。森林の価値が高くなれば、日本でも森林と食糧が競合状態になる。そうすると、日本には、もったいなくも埼玉県ぐらいの遊休農地があるようだが、やがて遊ばせてはいられない状況に遠からずなるだろう。
今年に入ってコメの国際価格上昇が伝えられているが、発端はベトナムなどの輸出規制だ。しかし、同じことが国内的に起こらないという保障はもはやないだろう。日本の食糧自給率はカロリーベースで4割を割ったが、冷静に考えれば、都会地域だけに限れば0%だ。逆に田舎はその気になれば、労働者さえ確保できれば自給できる。
都会と地方の格差が開いていると言われるが、これは仮のことで、状況が一変すれば、立場が逆転するだろう。つい60年前までは、食糧難だったのだ。逆の現象がまもなく起きる予感がする。
もし、そういう大変な状況になれば地方が食糧を抱え込んで都会に放出しないかもしれない。田舎の方が立場が強くなるのだ。そのようなことを考えると、下落し続けてきた地方の地価も底を打ち、急反発する可能性がある。いつまでも生産性の低い農産物なんか外部から供給すればOKなんて言っていられる状態がいつまでも続くものではない。
山林の地価が上がり、農地の地価が上がり、それを下支えに地方都市の地価も上がるだろう。
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