カーボンオフセットという名のままごと遊びに現を抜かす大人たち

日経Ecolomy:4次元エコウォッチング(安井至)カーボンオフセットを体験して分かった問題点を読むと、カーボンオフセットカーボンニュートラルのような類があまりに馬鹿馬鹿しく、とても分別ある大人のやることじゃないと実感する。
排出権を活用したカーボンオフセットという仕組み・サービスをCOJが提供し、皆様にはそのサービスに賛同したうえでお申し込みいただき、その費用を負担していただくものです。したがって排出権そのものを購入して皆様に所有していただくわけではありません。排出権はCOJから日本に移転させて、京都議定書に貢献します。(2ページ目)
これ、寄付するんだろうけど、その後のカネのトレーサビリティどうなるんだろう?
それはともかく、オーストラリアのエアーズロックまで航空機に乗って排出した分だが、国際線の航空機や国際船舶の排出する二酸化炭素は京都議定書の対象外だから、そもそもカーボンオフセット対象外でなければならない。
さらに、
飛行機のように成層圏で水分を排出するケースでは、その水分が強力な温室効果ガスとしての作用をする。そのため、水分の寄与を二酸化炭素量に換算して加えてあるとのこと。そして、実に、4トンの排出だという。
なんと成層圏で水分排出すると、二酸化炭素排出したのと同じ扱いなのだという。ここまで来ると、もう詐欺だ。しかも悪質な振り込め詐欺だ。安井至さん、ここでなぜ「アホ臭い、やーめた」にならないのだろうかまことに不思議だ。
植林作業などで二酸化炭素を減らすことも可能である。(3ページ目)
大体、植林したらカーボンオフセットなんて甘い。植林とは植林可能で、しかも木が生えていない土地を買ってやっと、二酸化炭素削減したことになる。なぜならその土地は植林代として金を払い他人に苗木を植えてもらわなくても自然に勝手に木が育つ可能性がある。人間が二酸化炭素削減に貢献するには、その土地を買って、他の利用方法を排除することしかない。つまり、自然が勝手に木が育つ可能性を断つことを防ぐことなのだ。単に植林すればいいというものじゃない。自然がやった二酸化炭素削減の仕事をさも自分がやったことのように錯覚してしまうだけだろう。
さて、安井氏のまとめ。(4ページ目)
これで一体何に貢献したことになるのか、非常に分かりにくいものであることを再確認した。最終的には、日本政府のために寄付をしたのだろうか。
と疑問を投げかけておられる。ごもっともで、もうこれは自己満足を手に入れるための無形商品なのだ。カーボンオフセットの計算の正確性などの問題ではない。最初から科学的にも経済学的にもナンセンスと見切らなければならない。
こんなまま事遊びで、貢献しただの何だのと言っている時点で大人として恥ずかしいという感覚を持たねばならない。そうしないと、本当の地球温暖化対策はさらに先送りされるのは目に見えている。
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