インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

ijcs公式サイトジョージ・ルーカス原案、スティーブン・スピルバーグ監督、ハリソン・フォードケイト・ブランシェットシャイア・ラブーフカレン・アレンジョン・ハート。昔読んだオカルト系、オーパーツ系のものがあまりに盛り沢山で、総集編という感じだ。
その中でクリスタル・スカルは最も謎に満ちたオーパーツと思われているが、発見されたのは20世紀前半で、実際には19世紀半ばに製造されたという説が有力。
映画では、水晶ではなく強力な磁性を持つ謎の物質として改変されていて、しかも実際のものより後頭部が異様に長い。つまりUFOでやって来る典型的な宇宙人の頭蓋はさもありなん思わせ、スピルバーグの「未知との遭遇」以来のお馴染みの宇宙人登場を予感させるに十分だ。それ以前にロズウェルUFO回収事件も暗示されているのだからラストは大体想像がつく。
しかも、古代インカの一部では、赤ちゃんの頭を縄などできつく縛って頭蓋骨を変形させる風習があり、その変形頭がちょうどこのスカルとマッチしてしまって、妙にリアルな説得力を持たせる。もっとも、この話は映画では採用されていないけれど。ナスカの地上絵は、ちょっとポピュラーに成り過ぎて、映画でも大した意味を持たせられていない。
1957年設定で、赤狩り、米ソ冷戦の真っ只中。ケイト・ブランシェット演じるソ連軍超能力者もソ連軍が実際に超能力軍事転用を試みていたという逸話に基づいている。「ゴルゴ13」でも予知能力のあるソ連女性が百発百中のゴルゴを要人狙撃失敗に追い込み、一泡食わせるエピソードがあった。
映像で再現された1957年には「アトミック・カフェ」という核開発のドキュメンタリー映画の名が道路指標に使われていて、芸が細かい。核実験場のシーンもこのドキュメンタリーをベースにしたものだろう。
それからあの、ジェットエンジン。当時はあんな大口径の高バイパス比のターボファンエンジンはなかったけれど、ああいう実験を通して10年後ジャンボ機が登場するんだというお勉強にもなる。
熱帯雨林を切り開いてコンボイが疾走しながら撃ち合うシーンも「スターウォーズ」にあったよな。ただ車輪が付いているか付いていないかの違いだけで基本的に変わっていない。ついでながら、大学創始者のブロンズ像の頭が吹っ飛んで来るというのは「クローバーフィールド」のパロディか。
そんなこんなで、ありとあらゆるものが盛り合されていて、お腹一杯という感じ。それでもまだ続編ありというか新展開も布石されていて、お父さんが遺影(ショーン・コネリー)になってしまった代わりに息子のマット(シャイア・ラブーフ)が登場しているので主役を継ぎそうな気配。
その時、ハリソンさんはどうなっていることやら。エル・ド・ラドに考古学博物館があったから、次回は異次元人の考古学者との出会いがあるかも。いっそ、「インディー・ジョーンズ」と「スターウォーズ」がM&Aされて合体する可能性もあると見る。既に「エイリアン」と「プレデター」はM&Aで「AVP」になった。「IJSW」なんてのが出来たら、映画史上最大のM&Aになる。実際、そうでもしないと個々ではストーリーが限界に達し、次の展開が開けないと思う。
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