なぜ日本は原油増産に反対しない

サウジ追加増産20万バレル 石油相、国連事務総長に表明(日経) サウジは5月のブッシュ米大統領訪問時に、6月中に30万バレルを増産すると表明済み。合計の増産量は50万バレルに達し、同国の生産量は960万―970万バレルに高まる。
ということで1日50万バレル分の原油から余計に二酸化炭素が排出されることが決まった。洞爺湖サミットを前にしてこうだから、議長国日本にとって屈辱であり、屈服の筈なんだが、何の反応もない。
50万バレル×365日=1億8250万バレル
原油1バレルあたりで少なく見積もっても86キログラムの炭素分の二酸化炭素が放出される。後に燃やされて排出されるプラスチックなどを含めるともっと多くなる。
一応100キログラムとすると、年間1825万トンの炭素が追加排出されることになる。全世界の炭素排出量は50億トンに比べれば0.2%増程度だが、サウジアラビア一国からすれば5%以上の追加排出だ。
日本のマスメディアでは、「こういう折になんてことを」という反応の仕方が常態化しているけれども、「洞爺湖サミットを目前に控えた折になんてことを」と喚いて良い筈だが、NHKはじめ、あんなに毎日うるさくエコ、エコ言っているマスメディアが二酸化炭素の「追加排出」には何の反応もしない。全く「エコ」とは何の関係もない話の如くだ。
2050年までの長期目標として、現状から二酸化炭素(CO2)60-80%の削減を掲げる「福田ビジョン」の福田康夫首相もこれまた全く無関心のように見える。「エコ」とは自分たちで電気のコンセントを抜いたり、レジ袋を使わないことであり、根っこの原油の消費を節約することではないのだ。
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