素晴らしきイタリアン・グラフィティ

graffiti1痛いニュース(ノ∀`) :「落書きで停学・解任、わが国ではありえない」 日本の厳罰処分にイタリア驚愕 …毎日新聞 「教員、大聖堂に落書きで解任の危機」−−。イタリア・フィレンツェの大聖堂に落書きをした日本人が、日本国内で停学や務めていた野球部監督の解任など厳しい処分を受けていることに対し、イタリアでは「わが国ではあり得ない厳罰」との驚きが広がっている。
池田信夫blog:落書きと割れ窓 イタリアの遺跡は落書きだらけで、これがイタリア経済の低迷する原因を象徴している。
いやあ、日本人ってマジメだなあ。
graffiti4フィレンツェに限らず、落書きはイタリア全土にあるようだけれど、不思議に汚いという感じがしない。←の写真撮った人も、There is still a graffiti problem in Alberobello, though it seems completely incongruous with the old, neatly kept houses.と必ずしも家と不似合いでないのだけれども、と微妙なコメント書いて芸術性を認めている。
塗り潰された壁面↓はむしろ、壁面と調和してさえおり、素晴らしいという印象さえ残る。世界これらは文化遺産に新たな付加価値を産み出している可能性さえあるようにも思える。この精神は有名な古代ローマポンペイの落書き以来の伝統芸なのだろうか。ポンペイの落書きを汚いと思い、消そうと思う人はいないだろうし、その歴史的価値を認めない人もいないだろう。
graffiti3イタリアでは「世界遺産」などと言っても、ホルマリン漬けのような扱い方はされておらず、「現代の空気」を吸い続けているのだ。そのことはこれら夥しい落書きが放置されていることで理解できる。
これらの多くの落書きの大部分はやがて消される運命にあるのだろうが、その一部は残り、100年後、500年後、1000年後には貴重な文化遺産として更にその価値を高めていることだろう。「あの頃に描かれた日本の漫画です」「へえぇ!」なんて未来のツアーガイドが誇らしく説明しているかもしれない。
落書き書いた人たちだって「自分の名前が後世に残りますように」という祈りを込めていたに違いない。世界遺産に落書きすれば当然残る確率は高くなる。彼らは世界遺産の価値に無頓着だからでなく、世界遺産の価値を知っているからこそ落書きしたのだ。もっとも、日本の文化遺産は木造、土塀が多く、残る可能性が低いけれど。
graffiti2ついでながらフィレンツェのローカル列車もこのありさま。落書きで上越新幹線運休(朝日)とえらい違いで、向こうはそのまんま運行しているのかな。というか、公認落書きだろう。日本のこの落書きもきっとフィレンツェの精神に学んだに違いない。たかが落書き程度で運休するド真面目車両に落書きというのなら、日本でもやたら広告の落書きが氾濫しているが、こちらは規制なし。およそ日本ほど広告の落書きで溢れている国もないだろう。
よって、あの落書きをイタリア経済のダメさ加減の象徴だとするのはあまりに真面目過ぎる。規制強化反対。たかが落書き程度で処分したり、運休したりするド真面目な自主規制、処分はむしろ世間体、空気読め、の封建制の名残りだ。
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