奥入瀬は巨大トリックアート

oirase八甲田を縦走したばかりで脚の筋肉が張るのに、奥入瀬14キロを歩く。ここはまことに不思議な瀬で下っているのに上っているような、上っているのに下っているような感覚に襲われる。
青森から標高1000メートルほどの峠を越えると、後は一路、十和田湖に向けて下るのみ、そう思い込んでしまう。十和田湖の標高は400メートル程度だ。
しかし、道路横を流れる奥入瀬川はその感覚に逆らうように十和田湖から流れてくる。実は峠から焼山までは一気に下るが、その焼山は既に標高300メートル以下なのだ。それから、道路はコソーリ上り始めるのだがあまりにコソーリなために上っているという感覚がない。
そもそも奥入瀬川も早瀬の場所以外はまるで流れがないかのようにゆったりしていて、その証拠にこんなちっぽけな中洲にも立派な木が立っている。↑ちょっと流れがきつければ、こんな木育つ前に流されているだろう。湖から流れるのでほとんど水量も一定らしい。
その秘密は周りを見れば分かりそうだ。奥入瀬は板状の堆積岩が削られた渓谷で、つまりは奥入瀬川は板の上を流れる水流なのだ。板が剥げ落とされたところに滝がある。実際に滝を見ると、あまりに直角で、周囲の岩も垂直なのであたかも人工の堰のように見えてしまう。人工的に見えるから余計に嘘っぽく見えて欺かれる。色々と仕掛けがあるものだ。
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