20世紀少年 第1章

20thcenturyboys公式サイト浦沢直樹原作、堤幸彦監。唐沢寿明豊川悦司常盤貴子香川照之石塚英彦宇梶剛士宮迫博之生瀬勝久小日向文世佐々木蔵之介佐野史郎石橋蓮司中村嘉葎雄黒木瞳 。原作の漫画連載開始が1999年なので、オウム真理教事件の影響がモロに出ているところがなんとも辛い。
1970年前後の少年時代に書いた「よげんの書」が原典と言っても、実際には90年代半ばが時代背景。70年前後は取って付けた印象を免れない。
90年代の人類滅亡願望は、むしろ冷戦が終り、「人類は滅亡しない」という現実に直面した裏返しとしての絶望の爆発だった。人類滅亡の捏造だった。
ところが1970年前後の人類滅亡願望は核戦争の現実的脅威や公害などの文明のネガティブな側面の顕現と月面着陸のような未来への希望との混合物。微妙だが明らかに違いがある。
その意味でこの物語は捏造された滅亡願望に対して、本来あった滅亡感を克服する形としての未来への希望の回復がテーマでもあるのだろう。同窓会に集まった仲間は皆、そのことを忘れていて、捏造された滅亡願望が目の前に現れて初めてそのことを思い出すのだ。
まだ第一章なので、アレだけれども20世紀最後の惨劇とは、人類の進歩と調和の万博の決定的破壊としての「太陽の塔」の否定。ま、破壊の仕方は細菌兵器とか何たらとかイマイチ進歩がないところが痛い。未来への想像力も実は70年以降、進歩していないのだ。あのブルドーザーの化け物のような巨大ロボットだって、実際は中ががらんどうの偽物。最終的にこの二つが対峙するというのは何やら象徴的だ。
トリビア的には、忍者ハットリ君のお面をかぶった「ともだち」って何かそれだけで正体ばれそうな感じ。万丈目胤舟友民党党首(石橋蓮司)が「あの時、成田空港はまだなかったろう」と言うが、当時でも既に成田国際空港の建設は決まっていて、成田闘争も始まったばかりで、むしろ爆破にふさわしいはずだが、子供の世界ではやはり羽田なんだろうなあ、とは思う。ちなみに石橋蓮司が党首の政党って爺さんくさくてどう見ても党勢を伸ばせるとは思えないのだけれど。
エンドロール後の予告編もイマイチ期待が持てないのだけれど。
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