放送禁止 劇場版〜密着68日 復讐執行人

hskg公式サイト長江俊和監督。フジテレビジョン深夜番組のモキュメンタリーを映画化。映像ジャーナリストが別の映像ジャーナリストの運命を追ってしまう羽目になり、ややこしい。
裏サイトの復讐サイト「シエロ」(スペイン語で天国という意味)の管理人の名前は七川ノラム。
ふとしたことから、このモキュメンタリーの映像ジャーナリストが学校での先生の飛び降り自殺の映像を入手し、この復讐サイトに行き着く。
仮面姿で取材に応じた七川ノラムは映像ジャーナリストに復讐場面を取材するように言われる。
結婚詐欺の店一番の売れっ子美人ホステスは復讐サイトに訴えられ、顔を切り刻む刑を受け、病院で仮面の姿になってしまう。それを映像ジャーナリストは撮影する。けれど、彼女が本当に顔を切り刻まれたのか決定的根拠はない。実は彼女もグルなのではないかと思えてしまう。
当の学校ではいじめに絡んで放火殺人事件があったらしい。新聞の見出しは「高校倉庫で火事・原因不明・2人死傷」。この見出しがおかしい。「2人死傷」が一番小さい小見出し。普通、「○○高校舎で火災、生徒2人死傷」だろう。倉庫であろうが高校の所属なら校舎だし、一番大きなニュースの要素は「生徒2人死傷」だ。そう考えると、この新聞記事さえ偽物臭く見える。これも映画の中の仕掛けなのかと思えてしまう。ただ、見出しの付け方が下手だけなのかもしれないが。
けれど、その記事には2人の生徒名「神野留麻(かみの・るま)=死亡」、「江口来実(えぐち・くるみ)=火傷」とある。普通、死者の名前は新聞に出るが、火傷しただけでは名前は伏せられる。つまり、この記事は偽物ではなく映画の作り手側の杜撰さだけなのかと思える。
けれど、この名前がヒントになる。「七川ノラム」を半透明の紙にでもマジックペンで縦書きし、裏返して紙を90度回すと横書きで「カミノルマ=神野留麻」と焼死した女生徒の名前になる。「シエロ」も圧縮して漢字にすれば「江口」=火傷した女生徒になる。
そのほか、ヤラセのドメスティックヴァイオレンスをマンション内で演じるのは夫、宋野登津雄(そうの・とつお)と宋野真津(そうの・まつ)。これも逆読みすると、「嘘の夫」または「夫の嘘」「妻の嘘」または「嘘の妻」になってしまう。これはDV場面を盗撮したいやらせ映像ジャーナリスト古茂田俊作(こもだ・しゅんさく)を貶めるための演技なのだが、いちいち携帯でああせえこおせえと指示されたら普通「?」と感づくだろうが。
「嘘の妻」はこっちの映像ジャーナリストに「七川ノラム」の秘密のヒントを与えるが、どうも同級生らしい。
で、最後に残っているのは、神野留麻の兄。この人、被害者遺族の会見で恨みがましいこと言っていた。この映画に登場する主要男性らしき人物ってこの人だろう。映像ジャーナリストは「七川ノラム」を最後まで神野留麻をいじめ殺した「江口来実」と思い込んでいたらしく、「真実」を知って自殺したようだ。
で、「真実」って何って思うと、どうもよく分からない。実は「七川ノラム」=神野留麻だとしたら、火災現場での警察の現場検証って何だったんだということになる。死体の司法解剖だってしているだろうから、人間違いなんて考えられない。また、別の女性の仲間、ホステスか真津だったら、インパクトがない。どうもペンダントがヒントらしいけれど。
しかし、新聞記事のヘタレぷり見ると、何かナゾナゾ優先で無用にややこしいだけで、実はストーリー自体がズッコケている気がするのだけれど。
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