死にぞこないの青

shnzknnao公式サイト乙一原作、安達正軌監督、須賀健太谷村美月城田優入山法子瓜生美咲博多華丸、坂井真紀。ホラーというふれこみだけれど、谷村美月の幽霊はちっとも怖くない。むしろこんな姿でも優しく見える。新任の先生羽田(城田優)の顔の方がよっぽどホラーだ。
羽田先生が理不尽にマサオ(須賀健太)をいじめるから児童も次第に安心して慰み物にしようというメカニズムだけれど、ちょいと無理がありすぎるかもしれない。児童だって「おかしい」と思う心があり、正義感はあり、「おかしな先生」と感じる力もある。こんな絵に描いたようなことにはならないはず。ここら辺、ちょっと飛ばし過ぎているような印象。マサオだって腕っ節は強そうで、いじめの集中攻撃を受けるようにも見えない。小学生ではまず腕っ節が権力を握るはずで、先生からも一目されるはずなのだが。今の小学生はそうでもないのだろうか。
実は、先生は授業の中で江戸時代の部落差別に触れ、民衆を支配するためにそれ以下の階層を作ったと教えている。これをそのまんまクラス内に適用し、クラスを支配するためにマサオを差別したというのがミソだろう。
羽田先生はイケメンだが、それらしき陰険な目付きはしている。けれど、妹も綺麗過ぎるし、陰険さの背景がイマイチ。実は溺れて助けようとした母親が死亡したのが心の傷になっていたという設定のようだが、冒頭の少年が羽田先生の幼いころというのは呑み込みにくい。普通に考えれば、姉(谷村美月)を亡くした時のマサオだと思ってしまう。顔は違うが、子供の顔は数年でもかなり変化するのでそう思ってしまう。
次第にマサオが心理的に身動き取れなくなってしまう過程はいいし、谷村美月の幽霊もまずまずなのだけれど、実際のイジメ教師は心の内部の優しささえ放棄して、ある意味もっと陰湿性が固まっているようにも思える。
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