ドル暴落なんてもう聞き飽きた

「ドル暴落説」なんて1970年代から折に触れて繰り返されてきたけれど、そのたびにむしろドルは「世界通貨」としての地位を高めているのは、どういうワケなんだろう。
今回だってドル暴落はないと思う。ユーロだって旧植民地国の資源高でホールディングカンパニーとしてユーロ高になっていただけで、資源安になった途端、ユーロ安になってきた。じゃあ、ドルが暴落してどこの通貨が上がるんだろう。人民元は当分、駄目そうだし、円に至っては超低金利の日銀政策金利0.5%の固定金利政策採っている以上、たとえば1ドル=80円とか70円なんて有り得ない。今年の3月も1ドル=90円台半ばまで円高になったけれど、いつの間にやら、100円台に戻り、リーマン&AIGアフターでも107円。有り得るのは正常金利化前提だろう。
とすると、やっぱりドル。リーマンがヘタレようが、AIGがダメポになろうが無関係にドルは不滅だってことになりそう。
なんでそうなるのかって、よくよく考えたら、ドルってアメリカ経済だけを反映したものじゃとっくになくなっていること。ドル紙幣の洪水はいまや北朝鮮まで及び、「世界通貨」になってしまっているので、世界経済の「世界平均」指標になってしまっていて、アメリカ一国がへたっても、ドルは不滅なのだ。
これからアメリカが不況になってもドルが「世界通貨」であることには変わらない気がする。つまり、ドル離れは限定的に終わる。
結局、金融システムがメルトダウン起こそうが、ドルは不滅だということが確認されるんじゃないだろうか。
同じことが、ニューヨーク・ダウにも言えると思う。ダウだってアメリカ一国の経済だけを反映して上げ下げしているわけではない。何せ世界の株式市場の時価総額の半分なんだから「ダウ世界平均」と言っても過言じゃない。
というわけで、経済がグローバル化した分、大洋で地震津波が発生したごとくで、大洋の広さが津波の強度をやわらげてくれて1929年以降のような大恐慌にも至らない気がする。大恐慌になるには市場がでかくなりすぎた。1920年代から30年代のダウって今から見れば新興国新興市場のようなチャートになっている。
よくサブプライム危機震源国のアメリカのダウがそんなに下がらず、日経平均や上海総合株価指数とか、他国の方が下げ率がきついと言われているけれど、世界を均した「ダウ世界平均」よりローカルな「地方」の市場の方がきついに決まっている。特に自虐的円安政策でアメリカ頼み一本槍の日経平均がきついのは当然と言えば当然だ。その代わり回復すれば、急激だろうけれど。
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