地価上昇全国一ニセコ・ひらふの地価暴落か

audオーストラリア・ドルの対円レートが急落している。一時は1AUD=105円だったのが、いまや1AUD=71円にまで急落している。国内的に一番痛手くらいそうなのは3年連続地価上昇率全国1位北海道・倶知安町かもしれない。
思えば、「地価上昇 支える豪州/倶知安」(朝日・2006年11月24日)という特集記事が出たのは約2年前。
数年前から急増するオーストラリア(豪州)からのスキー客をねらい、豪州を中心とした外資系企業による大小のコンドミニアム(分譲マンション)の建設ラッシュが、地価を押し上げた。日本人スキー客が減る中、豪州村ができそうな勢いだ。
豪州人スキー客がどうして増えたのか。91年から同町で暮らす豪州人のロス・フィンドレーさん(42)は言う。
「きっかけは5年前の9・11テロ。それまではスキーが大好きな豪州人はカナダなどに出かけるのが一般的だったが、テロ以降は北米方面を敬遠するようになった」
豪州東部と日本の時差は1時間。パウダースノーが楽しめる「ひらふ」の魅力が、口コミやインターネットで豪州に広がった。

けれど、このレポートにはっきり書かれていないのは、日本円と豪州ドルの為替レート。この記事が書かれた頃は1豪ドル=90円くらいだったが、その後105円以上に上がっていた。きっかけは9・11事件でも、その後のブームを牽引したのは豪ドル高円安だろう。
まだグラフには反映されていないけれど、今日のレートは1豪ドル=71円。ブームの時期に豪州資本が建設したコンドミニアムやホテルを仮にレートが1豪ドル=105円で倶知安の土地を100万豪ドル=1億500万円で豪州資本が超低金利の日本円で借り入れをして購入したとしたら、AUD換算では今では148万豪ドルの負債になっている。豪ドルのキャッシュで円と交換して購入していたら、地価が下がらない限り豪ドル換算で148万豪ドルになっていてむしろ為替差益だろうけど、もし、地価が暴落すれば、その利益も吹っ飛ぶ。倶知安地区はこの3年で地価が2.5倍くらいに高くなっているから、その可能性は大だ。
地元北海道新聞にはこの春、
対するニセコは、札幌管区気象台が「温暖化による雪不足の心配は当面ないだろう」と太鼓判を押す。毎日二万人以上がアクセスする英語サイト「スノージャパン・コム」には「世界最高のパウダースノー」といった賛辞が寄せられ、サイトを運営するアンドリュー・リー氏は「北海道の魅力は世界に広まり、今後は欧米の富裕層の客も急増する」と予想する。
海外投資家の関心もニセコに集まり、昨年の基準地価上昇率は二年連続で全国一を記録。豪州資本が〇四年に二億円で買収したひらふ地区隣接の「花園スキー場」は、三年後に十倍以上の価格で香港資本に転売された。

ニセコひらふって確かに日本には珍しく雄大で雪質はいいのだけれど、温暖化が進めば、雪不足の心配はなくても、やはり雪質は落ちるだろう。ましてや「今後は欧米の富裕層の客も急増する」って、ユーロも暴落しているし、ものの見事に当てが外れそう。中には体よく香港資本に転売している会社もあるそうだけれど、どっちにしても、これまでの地価高騰はこうした将来の皮算用まで織り込んで上がったのだろうから、ババをつかまされて、地価は暴落しそうだ。
今年の冬は、日本で一番景気の良い町も、スノーバブル・メルトダウンの憂き目にあいそうだ。倶知安だけならまだしも、ヨーロッパの住宅バブルも崩壊し、円建て住宅ローンもやがて日本の銀行の新たな不良債権問題として浮上しそう。
これらも元はと言えば、日銀の超低金利政策が原因で、本当にろくなことがない。
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