その土曜日、7時58分

BTDKYD公式サイト。原題:Before the Devil Knows You're Dead、シドニー・ルメット監督、フィリップ・シーモア・ホフマンイーサン・ホークマリサ・トメイアルバート・フィニー、ブライアン・F・オバーン、ローズマリー・ハリスマイケル・シャノンエイミー・ライアン。原題はアイルランドの諺、May you be in heaven half an hour before the devil knows you're dead.(悪魔があなたの死に気付く30分前に天国にあらんことを)だそうだ。
全文は、
May your glass be ever full.
May the roof over your head be always strong.
And may you be in heaven half an hour before the devil knows you're dead.
杯はいつも満たされ、頭の上の天井は常に強く、そして、・・・・あらんことを。
要は乾杯の際の音頭のようなものらしい。人生の憂さを忘れて飲み潰れようぜ、ということだろうか。
兄のアンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は嫌なこと忘れるためにヤク中毒になり、クスリ代のため会社から横領までする。ちなみにあのヤクを打つ店のホストのファッションは凄い。弟ハンク(イーサン・ホーク)は兄と違って善良だが娘の遠足代も払えない借金まみれの気弱な駄目亭主。
兄は偽装強盗で父母に迷惑かからないように一種の保険金詐欺を企てるのだが弟のドジと偶然から母(ローズマリー・ハリス)を殺してしまうことになる。兄はせめて「父親だったらよかった」と呟くのだが、これでこの家族の複雑な問題が浮き彫りになる。映像は何度も時間を前後させ、複数カメラで同じシーンが別角度で撮影されて、親切といえば親切。
けれど、無理そうなところもある。なぜ店内に自衛用の拳銃があることを知らなかったのか。それから助っ人の妻の家でなぜピザの箱の中に拳銃を置いていたのか、とか。普通警戒して男(マイケル・シャノン)の懐に隠していると思うけど。犯罪人引渡し協定のないブラジルのリオデジャネイロに逃亡することまで考えていた兄なのになぜ闇の宝石仲買人に名刺を渡してしまったのかとか。父親(アルバート・フィニー)の商売考えればやば過ぎるくらい分かるはずなのに。
ラストは植物状態で病院のベッドに横たわる母親のシーンと重なり、父親が次に何やるかは想像するまでもない。
May you be in heaven half an hour before you know who kills you.
ということだろうか。
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