国際金融危機を招いた日銀超低金利政策を隠蔽する日本メディア

ロイター:金融危機、日銀の緩和政策が影響も=山口副総裁候補 山口副総裁候補は、今回の金融危機と日銀の金融政策との関連について「(日銀は)長年にわたって緩和政策を行ってきたが、その一つの副作用として円キャリートレードのようなものを生み出し、それが何がしか海外市場に影響を与えたのではないかというようなことが言われている」と指摘。その上で「実際に定量的に把握することは難しいが、そういった面で日銀の緩和政策がひょっとすると何がしかのインパクトを与えた可能性は否定できない」との認識を示した。
この記事、「何で触れない」なんてリクエストまできてしまったが、正直、今更おせーよってトコなのだけれど、一応これまで言ってきた手前、触れざるを得ないか。ただ触れるだけでは芸がないので一工夫。
実はこの山口広秀日銀副総裁候補の見解、日本のメディアではほとんど触れていない。
毎日は「利下げ慎重に」どまりで、当該部分はスルー。東京新聞も同様だ。
産経衆院だけで参院で出た発言は無視。時事通信参院スルー。なんと一番報じなければならないはずの日経までが「衆院で山口氏の所信聴取 日銀副総裁候補、衆参24日同意へ」と書いてあるだけで、参院スルーだ。共同も同じ。
朝日はロイターをそのまま申し訳程度に載せているだけだが、これでもまともに見えるから不思議。しかし、ロイターをそのまま使うのは、どうでもよさげ意識からだろう。
読売は当該記事は書かず、後出しじゃんけん的に金融危機対応を優先の記事の中で、
山口氏が「(金融危機に)緩和政策がひょっとするとなにがしかのインパクトを与えた可能性は否定できない」と超低金利政策の副作用を認める発言をしても、今回は民主党からの追及は影を潜めた格好だった。
などと、まるで、この危急の際、問題発言だがとりあえず副総裁の空席埋めるのが優先で、体裁だけ整えて見てみない振りしようと言わんばかりだ。
実は、日本メディアの日限超低金利政策批判隠蔽工作は今回だけではない。「与謝野馨氏利上げ公約は自民党提言を踏襲」でも書いたように、与謝野馨経済財政担当相が9月に金利正常化で預金収入増、消費拡大へ−政権公約と報じたのは、ブルームバーグだったし、
金利がいわゆる円キャリーによって世界経済に過剰な流動性を供給することになったことには留意しなければならない」とし、「主要な民間金融機関の建て直しが実現したことが確認されれば、早期に金利水準の正常化が図られる必要がある」との基本スタンスを示した」という自民党経済物価調査会(会長:柳沢伯夫衆院議員)という6月の記事を配信したのもロイターだった。
これは記者クラブの談合体質というより、日本のメディアの問題意識の欠如だろう。こんな不景気な時に利上げなんてトンデモという意識が凝り固まっているだけだろう。恐らく外国の有力エコノミストあたりが言わない限り今後も無視し続けるだろう。山口広秀氏にしても、遠慮がちに言っているに過ぎない。日銀幹部が「ひょっとすると」なんて言うのは「間違いない」と同義だ。
ところで、当ブログはいったい何回度々文句を言っていたか数え切れないが、主なものだけまとめ列挙しておこう。
日銀発世界同時株安?(2007年3月)
1ドル=90円説(同)
それでも日銀は利上げするべし(同年8月)
本当に袋小路に入った日銀超低金利(同)
超低金利政策と超少数意見の格差解消問題(同年9月)
金利差の罠(同)
日銀が利上げしないから外国人投資家が逃げる(同年10月)
諸悪の根源日銀超低金利(同年11月)
日銀は利下げ圧力に屈するな(2008年1月)
野口悠紀雄「円安バブル崩壊」(同)
日銀が利上げすれば日本株は上がる(同年2月)
竹中平蔵は金利が分かっていない(同年3月)
日銀新総裁は早速利上げするべし(同年4月)
投機マネーにGOサイン出した日銀総裁(同年5月)
景気対策は日銀の金利引き上げしかない(同年8月)
竹中平蔵は要するにおバカ(同)
高橋洋一氏は財務官僚版河野洋平だ(今月)
以上、A級戦犯竹中平蔵で決まりだな。
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